センター長のご挨拶

山梨大学地域防災・マネジメント研究センターのセンター長を務めております鈴木猛康です.当センターは,地域防災ならびに地域マネジメントの分野で,研究を通して地域,すなわち山梨に貢献する地域に根差した研究組織として,工学部土木環境工学科内に平成23年5月に設立されました.設立された平成23年には2011年東北地方太平洋沖地震が発生し,東日本のみならず我が国全体が大きく揺れ,そして我が国民すべてが超巨大地震の恐怖に襲われ,多くの尊い命が失われました.そこで,山梨県でも東海・東南海・南海地震連動型の超巨大地震の発生がひっ迫している現状を鑑み,当センターは地域防災の拠点として,その活動を開始することとしました.また,地域マネジメントの拠点としても,当センターは重要な役割を果たしたいと考えておりましたので,副センター長として佐々木邦明先生を指名し,地域防災・マネジメント研究センターと命名いたしました.
 山梨県は昭和57年ならびに昭和58年の台風に伴う豪雨水害の後,幸いなことに長期間に亘って大災害の襲来から免れております.県民のみならず,県内の行政機関においても防災意識が薄れ,いわゆる自然災害に対する免疫を失ってしまった状態にありました.しかし,3つのプレート活動を象徴するような山,川,盆地地形は,地震災害,水害,土砂災害,そして火山災害のリスクが高い土地柄であることを物語っております.2014年2月の山梨豪雪災害は,大災害が他人事ではないことを,我々に気づかせてくれました.
 当センターによる企画によって、2012年より山梨県甲斐の国防災リーダー養成講座が開設され、毎年70名を超える修了生,60名を超える防災士資格取得者を輩出しています.また、山梨県や多くの県内市町村の公助,自主防災組織の共助の向上が,当センターの支援によって着実に進められています.学校の防災教育にも取り組んできましたし,山梨の災害履歴をまとめた貴重な資料として,「山梨と災害」を発刊することもできました.
 このように当センターは地域貢献を果たし,地域防災、地域マネジメントに関する地域の拠点としての地位を確立することができました.そこで,当センターは、平成28年10月1日より総合研究部(工学域)附属の研究センターとして位置付けられ,地域防災・地域マネジメントに関する研究・教育拠点としてさらに強化されることとなりました.当センターの運営には、山梨県の防災局、県土整備部、教育庁、富士山科学研究所に加え,国土交通省甲府河川国道事務所、富士川砂防事務所にも加わっていただくことになりました.また,県内市町村にも参加していただける機会を設けています.地域の研究・教育拠点として,地域の皆様の要望に応える所存ですので,広くご活用していただければ幸いに存じます.

平成28年10月1日
センター長 鈴木猛康