XASparam Read Me 1. 概要  XASparam は Photon Factory (PF) でX線吸収スペクトルを測定する時の測定範囲や間隔の角度、あるいはエネルギーの値などを納めたファイル (以後パラメータファイル) の内容を編集し、作成するプログラムです。 2. 読み書きできるファイル  読み込めるファイルは PF の BL-12C 等で使われている測定プログラムで使われているパラメータファイルです。HX6814 等が使用している旧フォーマットと、その後の新しい測定プログラムが使用するであろう新フォーマットのいずれも使用可能です。また、これらの測定プログラムで測定したデータファイルを読み込むと、そのパラメータ部分を読み込むことができます。  書き出せるファイルは PF の新旧両フォーマットのパラメータファイルと、CSV 形式のテキストファイルです。PF のパラメータファイルは通常の高角側から低角側に掃引する方向に加えて、SPring-8 の BL01B1 で使用されることがあるこれとは逆向きの掃引用のパラメータも作成することができます。新形式では角度指定とエネルギー指定の両方の形式が作成可能です。 3. インストール  XASparam は Microsoft(R) VisualBasic(R) で作成されています。そのため実行ファイル (XASparam.exe) の他にライブラリ等 (以後ランタイム) が必要です。  32bit版は VB Ver.5 Service Pack 3 で作成していますので、VisualBasic のない環境、あるいは VisualBasic で作成されたアプリケーションがまだ1つもインストールされていない環境では、ます VisualBasic Ver. 5 Service Pack 2 か 3 のランタイムをインストールしてください。(Windows98 では VB5 のランタイムがあらかじめ入っているといううわさもありますが、環境がないので確認していません) XASparam は最小限のランタイムとコモンダイアログ (COMDLG.OCX あるいは COMDLG32.OCX) しか使いませんので、基本的なもので充分です。VB5 のランタイムは Internet 上で配布されているサイトがたくさんありますので、適当に探して入手してください。ランタイムがインストールされていれば、XASparam.exe を適当なディレクトリにコピーし、AbsEdges.par と必要ならば default.par を同じディレクトリにコピーしてください。あとは XASparam.exe を起動するだけで実行することができます。  16bit版は VB4 16bit版で作成しています。Visual Basic のない環境にはフルセットを LHA で作業用の適当なディレクトリに展開後、SETUP.EXE を起動してインストールしてください。その後、インストールしたディレクトリに ABSEDGES.PAR と必要ならば DEFAULT.PAR をコピーしてください。Visual Basic がある環境では、XASPARAM.EXE を適当なディレクトリにコピーし、ABSEDGES.PAR と必要ならば DEFAULT.PAR を同じディレクトリにコピーしてください。あとは XASPARAM.EXE を起動するだけで実行することができます。  いずれのバージョンでも AbsEdges.par は動作に必要です。XASparam.exe と同じディレクトリ、あるいは同じディレクトリの下の Parmeter というディレクトリの中のいずれかに置いておいてください。Default.par はなくてもかまいません。 4. 使い方  使い方はだいたい見たままなので見ただけではわからないところだけ説明します。  あらかじめ用意されている分光結晶の名前は単なる例ですので、自由に入力することができます。面間隔も同様です。  表示されている吸収端の名前は単なる参考用です。書き込まれるパラメータファイルには今のところ関係がありません。  Option - Relative Energy はエネルギーの値を吸収端のエネルギーに対する相対値で表示するオプションです。このときに表示される形式と同じように + あるいは - の符号をつけて入力すると、エネルギーを相対値で指定することができます。  コマンドライン引き数に読み込むパラメータファイルを指定することができます。つまり、XASparam.exe のアイコンや、ショートカットのアイコンにパラメータファイルを Drag & Drop すると、それを読み込んで起動します。関連づけさせて起動することもできます。  XASparam.exe と同じディレクトリに default.par という名前のパラメータファイルを置いておくと、起動時にそれを読み込んで起動します。コマンドラインでファイル名を渡した時はコマンドラインのほうが優先です。  ファイルを読み込むと吸収端の位置を聞いてくることがあります。このとき、パラメータを作成する時に参照した吸収端のエネルギーか角度をできるだけ正確に入力してください。エネルギーであるか角度であるかは数値の大きさで判別していますので、eV 単位あるいは度単位で数値だけ入力します。  Reverse scan のチェックは高角側から掃引するか、低角側から掃引するかの指定です。既存のファイルの掃引方向を変更する時にはファイルを読み込んでからチェックを変更しないと無効です。  そのほか不明なところは作者にご質問ください。 5. その他  プログラムソースはご連絡いただければお送りできるでしょう。再配布はとりあえず自由です。 6. 連絡先 (1999年3月まで) 〒400-8511 甲府市武田4-3-11 山梨大学工学部 阪根 英人 電子メール eijin@ab11.yamanashi.ac.jp 7. 改版履歴 1999年2月26日 Ver. 2.02 100keV以上の吸収端を指定すると落ちる、面間隔に小さすぎる値を入力すると落ちるバグ修正。 ステップ角を小数点以下5桁までにもどす。 PF新形式角度指定のとき区切り角などを小数点以下5桁までに変更。 Si(333)とSi(933)を追加。 1999年2月2日 Ver. 2.01 PF新形式対応。 データファイルからパラメータ部分を読み込めるようにした。 デフォルトパラメータファイル指定できるようにした。 ステップ角を小数点以下6桁までに変更。 AbsEdges.ParのサーチパスにEXEと同じディレクトリを追加。 Webで公開。 16bit版バグ修正。 1998年5月24日 Ver. 1.10 逆スキャンサポート。 エネルギー相対値表示ができるようにした。 Si(511)追加。 バグフィクス。 1998年4月28日 Ver. 1.02 エネルギー相対値入力ができるようにした。 バグフィクス。 1998年4月23日 最初の完成版 Ver. 1.01 印刷機能の追加 コマンドライン引数にファイル名を指定できるようにした。 セル間の移動をカーソルキーで簡単にできるようにした。 1998年4月13日 最初の公開β版 Ver. 0.10