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やまなしだいがく きょういくにんげんかがくぶ ふぞくようちえん  
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これまでの履歴
5歳児 「小麦を作ればいい!」 
 
 くりパンを作りたい 4歳児10月
 年中児さんが登園途中で拾ってきたクリ。そのクリを使って 「栗パンを作りたい」と言うことになりました.
すでにパンを作った年長児にさっそく作り方を聞いてみると、「えーパン作るの?大変だよ」 という返事。そうは言いながらも作り方を教えてくれることになり、まず材料を探したのですが、小麦粉が足りません。どうするかと思いきや、横にあった米を見つけ「お米を粉にすればいいよ」と考え、コーヒーミルやすりこぎを使って米粉を作り、『栗パン』を作ってくれたのです。ちょっとボソボソとした出来上がりでしたが、香ばしい米のパンの出来上がり!!
 小麦を作ればいい
 その日、子どもたちが『こむぎの本』を探してきて「小麦の種を蒔くのは10月」と書いてあるのを見つけてきました。「今が10月だよね。じゃあ小麦の種まけば!」「小麦を作ればいい。パンもできるよ!」。今は園の周りでも小麦を作る人は少なく、なかなか小麦の種を見つけることができなかったのですが・・・なんとか小麦の種を手に入れ、子どもたちと本を見ながら畑を耕し種を蒔きました。子どもたちは「穴の中に3個ずつ入れるんだよ」と本にあった通り上手に種を蒔き「早く大きくなってね」と優しく土をかけていきました。
 小麦を守らなきゃ
 数日後、子どもたちが畑に足跡がついているのを見つけました。「夜誰かが畑に来たんだよきっと。大事な小麦を守るように畑の周りを入れないようにしよう」と柵を作ったり、かかしを作ったり、ネズミばあさんが来たのかもしれないと「びっくり宝石箱」を作って畑に置いたり・・・。一人一人のそんな姿から自分なりに小麦に向き合って育てていこうという思いをとらえることができました。そんな子どもたちの思いは、この年の発表会の劇「クマのパン屋さん」へとつながっていきました。
 小麦がかわいそう 12月
12月、寒さも厳しくなり、小麦畑の日陰の部分はあまり大きくなりません。すると温度計を持って日向と日陰をはかり始めた子がいました。お日様が当たっているところと陰になっているところの温度が違うことに気付いた子が、以前年長児が桜島大根のために作ったビニールハウスのことを覚えていて「前の年長さんと同じようにすれば小麦が守れる」とビニール袋を貼り合わせビニールハウスを造り始めたのです。おかげで日陰のものも日向のものに負けないくらい大きく育ちました。また、12月から2月の間、麦踏みも行いました。小麦を踏むことで強くなるのだということを本から知識として得てはいても、「小麦がかわいそう」と踏むことをせず、一生懸命麦を手で押さえている子どももいました。そうした姿から、子どもたちが日に日に小麦に愛着を感じていく様子をとらえることができました。
 大変だ! 5歳児4月
 「すごーい大きくなってる!」年長に進級した日、春休みの間に自分たちと同じくらいに成長した小麦に驚いている子どもたち。そんな喜びもつかの間、虫好きの子が「大変だ!アブラムシがついてる」と小麦の異変に気付きました。「えー大変!パンが食べられなくなっちゃう」と、小麦を守るためにどうしたらいいのか、クラスみんなで話し合っていきました。「小麦を守るためにテントウムシを捕ってきて畑に放そう」「でもテントウムシが逃げちゃうから網をかぶせよう」ということになり一件落着かと思えたのですが・・
ちょっと待って
 一人の子の「ちょっと待って。みんな自分がアブラムシだったらどんな気持ちがする」という言葉に、再び話し合いは振り出しに戻っていきました。アブラムシだって生きてるんだからかわいそうだと子どもたちは「アブラムシの食べる小麦を少し残して後は網で囲いその中にテントウムシを放す」という結論にたどり着いたのでした。
小麦ができた! 6月
テントウムシに守られた小麦は無事に大きくなり、6月に刈り取ることができました。とれた小麦はおよそ4キロ。せんばこきや石臼を使っての脱穀、製粉。初めて見る機械に子どもたちの目は真剣。しかし、石臼から出てくる小麦は見慣れたものとは違う茶色い小麦。粒も粗く細かくするには2度ひかなくてはならず、予想以上に大変な作業でした。小麦を口にするまで、こんなに大変だということをあらためて感じさせられました。
 パーティーをしたら
 種をまいてからおよそ8ヶ月。「何にして食べたいのか」という話し合いでは、パン・クッキー・うどん・ルーに小麦粉が入っているからカレー・パスタ・ケーキ・・・と小麦が使われているありとあらゆるものが候補として出されました。そんな中での一人の子の「あのね、小麦を使うものってことじゃあないんだけどね・・・。こんなにいっぱいとれたんだからパーティーをしたらいいと思うんだけど」 という言葉に子どもたちの表情がぱっと変わっていきました。
待ちに待った小麦粉を目の前にして、きっとどの子もその収穫をお祝いしたい気持ちをでいっぱいだったのでしょう。子どもたちは今度は「パーティー」という目的に向かって、役割を分担しながら準備を進めていきました。
 こんなふうに子どもたちが自分なりの歩幅で考えたり工夫したりしながらひとつの問題を超えていくことが、自分で出来たという自信となり、また、ものや人と向き合い新たな一歩を踏み出す力になっていくのではないかと私たちは考えています。