story, plot, narration
*E.M. Forster, Aspects of Novel
推理物語(Whodunit)
ポオの推理物語と5W1H
探偵物語の3アクタン(actants)
crime :犯人+被害者+探偵
デュパン/ホームズ型探偵から「名探偵コナン」に至るまでほとんど全ての場合
William Hjortsberg, Falling Angel, 1978(『堕ちる天使』早川文庫、p.362)
Sébastian Japrisot, Piège de Cendrillon, 1962 (『シンデレラの罠』)
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Mon nom est Michel Isola. J'ai vingt ans. L'histoire que je raconte est l'histoire d'un meurtre. Je suis l'enquteur. Je suis le témoin. Je suis la victime. Je suis l'assassin. Je suis les quatre ensemble, mais qui suis-je ? |
探偵助手の視点(古典的名探偵もの)
Raymond Chandler, The Lady in the Lake, 1943(『湖上の女』ハヤカワ文庫, p.7)
「彼女は私の名刺をタイプしたばかりの何枚かのレターヘッドのわきにおいた。背中を椅子の背につけて、片方の腕をデスクにおき、小さな金色の鉛筆で軽くデスクをたたいた。私は彼女に軽く微笑して見せた。交換台の小柄の金髪娘が貝殻のような耳をそばだてて、薄笑いをうかべた。興味を覚えていたのだが、あまりネコに関心のない家に入り込んだ子ネコのように、どうふるまってよいのかわからないのだった。」
cf. 映画The Lady in the Lake:1人称(主観的)カメラの例
Dashiell Hammett, The Maltese Falcon, 1930, Penguin Books, p.26 (film by J.Houston, 1941)
"Effie Perine opened the door and came in. Her brown eyes were uneasy. Her voice was careless. She asked : 'Well?'
Spade said nothing. His brooding gaze dit not move from his partner's desk.
The girl frowned and came around to his side. 'Well,' she asked in a louder voice, 'how did you and the widow make out ?'
'She thinks I shot Miles.' he said. Only his lips moved.
犯人の視点:倒叙型(「刑事コロンボ」「古畑任三郎」)
J.M.Cain, The Postman always rings twice, Penguin Books, pp.14-15
"She had looked nice when she started out, with a little blue suit and blue hat, but now she looked all battered, and her shoes were dusty, and she couldn't even walk right, from crying. All of sudden, I found out I was crying too." p.28(外界を見る器官であるはずのハードボイルドの視線(これは必ずしも「非情な」ものではない)が、自らに気が付くことがないわけではない)。
Agatha Christy, The Murder of Roger Ackroyd, 1926(『アクロイド殺人事件』角川文庫、pp.46-47)
「いいえ、あとにしましょう」アクロイド氏は首をふった。
けれども、私はなぜだか自分のいいぶんを通そうとした。
「すくなくとも、その男の名だけでもお読みになったらどうです」
ところがアクロイド氏は、恐ろしくつむじまがりで、すすめればすすめるほど、反対するので、私のいいぶんはむなしくなってしまった。
パーカーがその手紙を持ってきたのは9時20分前で、私がその部屋を出たのは、かっきり9時10分前であった。その時はまだ読み終わらない手紙がテーブルのうえにのっていた。私は戸口に立った時、もう一度部屋の中を見回して何か私のし残したことはないかと考えたが、何もなかった。」(この10分間に一体何が起こったのか、どういうわけかこの一人称の「書記」は書かない。それは後に大団円で探偵ポワロ自身が暴くことになる。「私」の方を指さして)
被害者の視点
Agatha Christy, And Then There Were None, Ten Little Indians, 1939(『そして誰もいなくなった』ハヤカワ文庫、p.236)
「ヴェラの心にやっと安息が訪れたーやっと、すべては終わったのだ。もうなにもおそれるものはないー神経を脅かすものはない。島には彼女一人しかいないー彼女のほかに九つの死体ーしかし、もう、気にすることはない。彼女は生きているのだ。彼女はそこに腰をおろした」
Sébastien Japrisot, Compartiment tueurs, 1962(『寝台車の殺人者』創元推理文庫、p:47-48)
「ルネ・カブールは洗面所のドアが背後であけられたのに気がつかなかった。ひびのはいった、きたない洗面台にかがみ、背広の上に着たオーバーの前をはだけ、水道の水が背広にかかるまま、額や髪をぬらしているとき、襟首のちょっと上のところを、ピストルでうたれた。発砲の音も聞かず、閃光も見ず、がらんとした洗面所に人間が入ってきたのにも気づかなかった。[...]
最初、なぜ苦痛もなく、あすいわねばならぬことを考え続けながら、鏡の中の自分の顔のほうへ倒れなければならぬのか、彼にはわからなかった。そのまま彼は洗面台につんのめり、あふれる水にネクタイがつかる。そうなんです、と彼はみんなにいおうと考えた。[...]
目をとざしたまま、彼はゆっくり水の中から顔を出し、そうだよ、おれの手は彼女の肩にかけられている。こんなふうに、だが彼女ががまんできるかできないか、顔にあらわれているだろうか・・顔に。だがそれを見るまえに、タイルの床の上に、彼はばたんとたおれた。彼は死んでいた。」
無人称:"nobody's shot"
1人称:subjective camera
- 「湖上の女」The Lady in the Lake, 1946(監督:ロバート・モンゴメリー)
- 「視線のエロス」La femme défendue, 1997( 監督:フィリップ・アレル、 出演:イザベル・カレー/フィリップ・アレル)
2人称:のぞき込まれるカメラ
- 「勝手にしやがれ」A bout de souffle, 1958(監督:ジャン・リュック・ゴダール)
- 「ハイ・フィデリティ」High Fidelity, 2000(監督:スティーブン・フリアーズ)