Research 2003






2003年度 卒業論文

「地域色を配慮した景観舗装に関する研究」(加藤圭望)

沿道建造物の地域特性を充分考慮せず道路整備が単独で行われることが少なくない。特に、本来、建造物がその地区の景観の主役であるにもかかわらず、道路舗装に不適切な色彩が用いられ、目立ってしまうことが問題である。この問題を解決するために、現在、道路舗装に用いられている舗装材の特徴を明らかにし、対象地域に古くからある色と似合う色を抽出し、それを踏まえた舗装材・模様パターンの在り方を考察する。



「町並み景観デザインガイドの作成とその影響に関する研究
  ―身延駅前しょうにん通り 和風の町並み景観整備の事例―」
(宗像路子)

 歴史が浅く規範となるような伝統的な空間や建築物がない地区での、和風の町並みの統一を意図した景観整備における、良好な町並みの誘導のための手がかりとなる知見を明らかにすることを目的とする。比較的新しい町にもかかわらず和風の町並み景観整備を行った山梨県身延駅前しょうにん通りを対象とし、まちづくりにおける景観デザインガイドの作成経緯と町並みへの影響を分析する。



「密集市街地再生における防災と景観の調和 ―市川大門町を対象として―」(安留瑞木 )

既存不適格となった建物は密集市街地において様々な問題を抱えているが、これまで起きた震災の教訓から、現在の密集市街地を含むまちづくりにおいては防災の観点からの整備が主であり、景観・文化・歴史性といった観点へ十分配慮しているとは言いがたい。そこで、現行法律も含めた防災の視点からのまちの現状把握と景観特性抽出を行い、景観と防災を調和させるためのまちづくりの方向性を考察する。




2003年度 修士論文(中間報告)


「事例から見るまちづくりの課題の抽出および考察」(中川 和憲 )

全国各地で住民参加によるまちづくりが様々な形・手段で行われ、また、それに関する研究・報告がなされている。しかし、各地の事例を詳細に報告しているものは多く見られるが、まちづくりを全体から見た報告はあまり見られない。そこで本報告は、住民参加のまちづくりに関する既存研究を整理し、まちづくりの課題の抽出を行う。その上で、これまでのまちづくりの成功とは何か、さらには今後のまちづくりについて考察する。

 2003年度 卒業論文参考題目


1.景観・空間デザインに関する研究テーマ(道路空間・歩行空間
  住宅地空間・水域空間・土木遺産・快適空間・建築景観)
2.まちづくり実践活動に関する研究テーマ(産学官民の協働・花づくり
  など自発的活動のまちづくりへの展開・公共空間創出の仕組み作り)
3.居住環境の持続性に関する研究テーマ(農村のデザイン・定住促進・
  農業と飲食のコラボレーション・GIS土地利用計画支援システム構築)
4.地域活性化に関する研究テーマ(都市中心部の魅力づくりの実践・
  地域資源の発掘と活用・観光余暇とまちづくり・地場産業活性化)
 
 


2004.2.6