Research 2012






2012年度 修士論文

「山梨県内のフットパスの取り組みの現状と課題に関する研究」(齊藤 史浩)


  観光客が地域の景観や自然を楽しみながら歩く、新しい観光形態の1つであるフットパス活動が近年わが国で独自の展開を見せている。
すなわち観光のみならず、その実施過程で住民に地域の新たな魅力を再発見させ、協働まちづくり活動の活性化への展開を持続的にもたらす可能性がある。
さらにこのフットパスは些細な資源でもそれを活かすアイディア次第でどこでも成立できる可能性があり、各地への波及が期待される。
山梨県では近年多くのフットパス活動団体が生まれつつある。
本研究は、山梨県内でフットパス活動をおこなっている全ての団体である31団体の活動の現状を把握した後、1年以上活動を継続している8つの活動団体に対してヒアリング調査をおこなって、 活動の成立要因、持続の課題と対策、波及効果を把握することによって、今後、多くの地域でフットパスを普及させ、地域活性化へ繋げていくための知見を整理することを目的としている。
活動現状は@歴史資源と自然資源をテーマにしたものがほとんどであり、生活や食などへの展開は乏しいこと、 Aフットパスイベントの内容は試行錯誤の結果、コース設定や案内方法に共通した手法に辿り着いていたことを示した。
成立要因は@行政計画への参画や他地域のフットパス活動への参加によって問題意識を持ち、 A地域へのヒアリングやまち歩きで地域資源に自信を持ち、 Bその作業過程で楽しさを感じ、 C賛同者・協力者の存在を得て、成立に至るプロセスを抽出した。
持続課題と対策では財源課題、参加者の質量の課題、運営協力者の課題、など17の課題に対して、 例えば@会員制による財源確保と参加者質の確保、Aリピータ対策、B地域との接触や生活文化体験や婚活など新たな企画、 C参加者との交流効果促進、D参加者からの人材取り込み、E子育て中の主婦への働きかけなどの対策を抽出し、一部についてはその効果を確認できた。
波及効果では他活動への影響効果、起業効果が確認できた。
 
 

2012年度 卒業論文

「市川三郷町における紙産業を利用した産業観光の課題に関する研究」(川合 徹)

「国登録有形文化財に登録された住居建築のリノベーションに関する研究」(古瀬俊明)