バイノーラル技術を用いた正中面内での音像定位におけるスペクトラルキューの学習

概要

バイノーラル技術は,音源から聴取者の外耳までの音響伝達関数である頭部伝達関数を音源信号にかけた音を聴取させることで,音の空間情報を聴取者に提示する技術である. しかし,他者の頭部伝達関数を用いた場合には正確な空間情報が伝わらない場合がある. それを改善するために,本研究では他者の頭部伝達関数を学習することの可能性を検証した.
具体的には,他者の頭部伝達関数を用いて,15 分程度の訓練を7 回行い,訓練から少なくとも1ヶ月半の期間を経た後に音像定位テストを行った. その結果,スペクトラルキューについて短時間の訓練で学習可能であることが示された.

訓練前の音像定位実験結果 訓練後の音像定位実験結果
音像定位実験の結果.(左:訓練前,右:訓練後)

キーワード

バイノーラル技術,頭部伝達関数,音像定位,学習,スペクトラルキュー,正中面

代表的な論文 / 口頭発表

  1. 佐藤智洋,小澤賢司,“正中面内での音像定位におけるスペクトラルキューの学習効果,” 日本音響学会2009年秋季研究発表会講演論文集, pp. 529-530 (2009).