太陽電池・環境科学研究部門では、エネルギー・環境問題を解決すべく、クリーンな再生可能エネルギー(太陽エネルギーや地熱)を化学エネルギーや電気エネルギーに変換する材料・システムの創製の研究を行っています。具体的には、太陽エネルギーを化学エネルギーに変換貯蔵する有力手段として、可視光応答型光触媒による水素製造に関する研究や太陽熱、地熱または未利用の低品位廃熱を利用可能な電気エネルギーに変換する熱電材料開発も遂行中です。
また、人工光合成による光エネルギーから化学エネルギー変換の実現に向けた研究などにも取り組んでいます。
近年、エネルギー源として水素が注目されています。水素自身は燃焼によって水しか生成しませんのでクリーンなエネルギー源ですが、現状では化石燃料に依存する製造過程において、環境に大きな負荷をかけています。そこで、恒久的に地球上に降り注ぐクリーンな太陽光エネルギーを利用して水から水素が製造可能となれば、環境に優しいエネルギーサイクルが構築できます。私たちは太陽光の大半を占める可視光のもとで水を完全分解できる材料、すなわち「光触媒」の創製を目指し、検討を行っています。
エネルギー資源にめぐまれないわが国にとって、地熱は純国産の再生可能な、貴重なエネルギー資源です。また日本の消費エネルギーの約6割を排熱の形で損失しています。これら熱を有効利用すべく熱を電気に直接変換できる「熱電変換材料」の創製を行っています。熱電変換は二酸化炭素など排出物を出さないエミッションフリーのクリーンな発電です。私たちは環境に優しい元素から構成されるセラミックスをベースに幅広く新規な熱電材料の探索を行っています。
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