生命機能開発工学大講座において、合成生物分子工学グループは20075月にスタートした研究室です。 我々の研究目標は合成・化学的手法を利用して生物機能を再現、さらには超える人工生命システムの開発にあります。 自然界における生命体は膨大な数の分子が巧みに集まった分子集合体であることから、生命現象の再現や超越には単一の分子ではなく分子組織体の利用がひとつの手段と成り得ると考えられます。 このような分野は超分子化学や分子認識化学と呼ばれる領域に含まれています。 そこで、我々はナノテク技術を活用してバイオサイエンスを発展させることを目指しています。 具体的な最近の研究テーマとして、生体系で重要なエネルギー源である糖質や疎水性脂質をターゲットとした研究、生理活性物質の超分子化に関連した研究を中心として日々実験を重ねています。

 研究室生活は、もちろん教育研究を遂行する場所でありますが、それに伴う人のつながりのある集団活動の場でもあります。 1人ではできない目標を一定の人数が相互作用を持って集まってこそ研究が進み、その中で優秀な人材を育てることが我々の使命であります。 これは上記の超分子化学という考えに似ている部分がかなり多いと確信しております。 ワクワクドキドキするような研究の進行のためにも様々な大学院生や学部学生との出逢いを心より望んでいます。  

山梨大学大学院医学工学総合研究部
生体環境医工学系
新森 英之