木管楽器

オーケストラでは主にフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット(バスーン)の4種類の木管楽器が用いられます。それぞれの楽器が2本ずつ(1番奏者と2番奏者)で計8人というのが一般的なスタイルです(2管編成といいます)が、さらに大きな編成の楽曲ではそれぞれ3人(3管編成)、4人(4管編成)の奏者が要求されることもあります。弦楽器や吹奏楽における管楽器とは異なり、同じパートを複数で吹くことはありません。このため各人の責任は大きなものとなりますがその達成感もひとしおです。


フルート

ヴァイオリンと共にオーケストラの最高音部を担当する楽器。きらきらと光り輝くその美しい外観にあこがれたことのある人は少なくないはず。よく登場する同族楽器としては1オクターブ高いピッコロがあります。


オーボエ

吹奏楽では影の薄い存在ですがオーケストラでは大活躍!チャイコフスキー作曲「白鳥の湖」の情景冒頭のソロは誰もが知る名旋律です。実はオーケストラに初めて導入された管楽器でもあります。ダブルリードと呼ばれる、二枚の葦(あし)を合わせた発音体により音が出ます。オーケストラ全体のチューニングは伝統的にオーボエのA(ラの音)に合わせます。A.ドヴォルザーク作曲「新世界より」第2楽章冒頭の有名なソロは同族楽器のイングリッシュ・ホルンによるものです。


クラリネット

オーケストラで使用される木管楽器の中では最も新しい楽器。モーツァルトが精力的にこの楽器を自曲の中に用いたことから、その後のオーケストラのスタンダードな編成に組み込まれるようになりました。その哀愁漂う音色は多くの作曲家を惹きつけ、特に大作曲家の晩年の作品にはクラリネットが活躍する曲が多いと言われています。オーケストラにおいてクラリネットは曲によりA管とB♭管を持ち替えるという、他の楽器にはない特徴があります。しばしば登場する同族楽器としてはE♭管の小クラリネット、B♭管のバス・クラリネットがあります。


ファゴット(バスーン)

木管楽器の最低音部を担当する楽器。オーボエと同じくダブルリードを用いて発音します。ベートーヴェンはこの楽器の音色を「天からの声」に例え、自作の曲の中で多用しています。大編成の曲ではさらに1オクターブ低いコントラファゴットが用いられることもあります。



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