【「産業現場等における実習」(現場実習)の進め方】
現場実習の基本的な考え
@「産業現場等における実習」(現場実習)の目標
現場実習では「自立をめざし,働く体験を通して社会生活へ参加しようとする力を高める。」ということを目標としている。どの生徒にも個々に合った社会参加の仕方があることを基本に置き,毎回の実習で個人の目標も一人ひとりの実態に応じて立てている。
これらの目標は,日頃の学校生活で課題となっていることを,どう実習で達成していくかも含めて考えながら立てる。実習前に,本人と保護者及び実習先にも目標の確認を行なう。
A3年間の現場実習の計画
高等部では一年間に2回,T期2週間(6月),U期3週間(11月),V期(1月・必要に応じて)の実習を実施する。
さらに,3年生は進路決定まで夏季休業中,冬季休業中,また必要に応じて随時,実習を行う場合もある。3年間の実習を次のような段階を経て進めている。
<1年生> 学校時代にできる試みを行なう時期(経験を広める)
全員が施設、作業所での実習を体験する。実態に応じて宿泊を伴う実習を体験する。(宿泊実習は 相手先の受け入れ体制や人数制限もあり、2年生になってから体験する場合もある。)
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<2年生> 進路先の方向を探る時期
本人が適している方向が大まかに選択できるような実習を行う。 |
<3年生> 進路の具体化、決定に向けた実習をする時期
これまでの実習経験をもとに進路相談の上、進路希望先で実習を行う。
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B「産業現場等における実習」(現場実習)の 進め方
学校では現場実習を以下のような手順で進めている。
ア 本人や保護者の希望を聞く。
進路希望調査・個別懇談・家庭訪問等で将来のビジョンを伝える。その方向に向けてどう実習を組んでいくか話し合い,理解していただく。
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イ 検討する。
本人と保護者の希望を基本に,日常生活の様子・作業の実態・各検査等を参考に現時点で何を経験することが大切か,教職員間で協議し実習先の候補をあげる。
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ウ 施設や会社等に実習をお願いし,承諾を得る。
相手方から本人と面接し判断したいという申し出があれば,引率して面接をする場合がある。
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エ 教員が実習先に出向き,実習の具体的な目的や方法,本人の様子等を打ち合せ,理解していただく。 また,書類上の様々な手続きもお願いする。
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オ 家庭に次のような通知を出し,実習先を知らせる。
・現場実習実施要項 ・現場実習参加承諾書 ・通勤経路調査書 ・通勤練習カード
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カ 授業では現場実習のための学習を開始する。
・事前学習 ・現場実習壮行会
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キ 実習開始までに,ご家庭にご協力していただくこと。
・実習のための三者懇談(U期実習に向けて)
・「通勤練習」:一人で通勤するお子さんは,通勤手段,利用する交通機関の時刻,交通費を親子で調べ, 実際に始業時間に合わせて通勤できるようにご家庭で訓練していただく。
・通勤訓練を兼ねて実習先に出向き,挨拶をする。同日に開かれる「現場実習保護者説明会」の際,その様子を学校に報告していただく。
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ク 実習中
○次のようなことをご家庭にお願いする。
・施設に宿泊する場合は、初日と最終日は保護者が立ち会い、入所・退所の手続きをする。
・期間中一度は実習先を訪問し、子どもの様子を見る
・家庭での様子を学校に連絡する。
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・実習初日に生徒全員の実習先に出向く。
・仕事を一緒に行い、支援する。
・期間中に巡回し生徒の様子を把握し、必要に応じて援助する。
・各実習先に校長・副校長があいさつに伺う。
・巡回報告会を開き、職員で共通理解し、対応を話し合う。
・原則として実習は校外で行うが、校内実習を行う場合もある。
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ケ 実習終了後のまとめ
【生徒】
・現場実習報告会でお互いの様子を報告し合う。
・事後学習をする。実習について自己評価を行う。実習先にお礼状を出す。
【保護者】
・実習中の様子や評価について三者懇談で話し合い,次の実習先についても希望を伝える。
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