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 さくらぐみ科学館
 5月10日(金)に、山梨県立科学館に遠足に行きました。
その後、年長さくらぐみの子どもたちの科学館作りが始まりました
 みんなで
『さくら科学館』を作ろうよ!
 遠足をきっかけに「プラネタリウム作り」が始まりました。最初に、子どもたちから出てきたのは、『真っ暗』『星が見える』『お家があった』『映画をしたい』といった言葉でした。
 まずは、どんなふうにしたら暗くなるのか、を考えていきました。これまでは、保育室のカーテンを閉める位で満足していたのですが、『本物』を体験したあとは「これじゃあ明るくてダメ」ということになりました。もっと暗くするために、まずは、使っていないカーテン、テントや段ボール、黒いビニールなどで子どもたちと新しい空間作りを進めていきました。
 やっと納得の「暗さ」にたどり着いたあとの課題は「星」。しかし、ここからなかなか進みません。子どもからは「電気を使って映し出す方法」「黒い紙に穴を開けて光を使う方法」「キラキラのテープの反射を使う方法」など色々な方法が出されました。一人ひとりの中に『プラネタリウム』として残っているイメージが違っていることで、そうした意見がぶつかり合います。それぞれの星への思いが強いだけに、ひとつの形にはならないのです。
 かといって、まだ互いの意見を聞きあいながら考えることは難しく,日を追うごとに、「プラネタリウム」への思いが薄れていってしまう子どもたちの様子が感じられました。こんなにステキなアイディアをもっている子どもたちに、何とか創り上げる喜びを感じてほしい,そう願いながら、私たちは『一度リセットすること』を考えました。そうすることで、絡まってしまったように見える子どもの思いが、少し変化してくるのではないかと考えたのです。
 「水曜日に園行事で遊戯室を使うから」ということで、全部を片付けることを子どもたちのお願いしました。子どもたちは,しぶしぶ承知し「でもまた作ればいい」「みんなで作ればできるから大丈夫」といってくれました。が、その場では言えずにお家に帰って「プラネタリウムがなくなっちゃった・・・」と泣いた子もいたようでした。(ごめんなさい)
 
 
 さて、プラネタリウムがなくなった1日目。登園してきても、誰も言い出しません。「このまま、終ちゃうのかな・・」という不安を抱えながらも子どもの言葉に耳を傾けているとAくんが「ライトがあれば、光が試せるのに・・」とつぶやきました。私「ライトなら、先生もってるけど」と伝えるとAくん、Bくん「じゃあ、やってみよう」と教材室に、ライトと穴の開いた紙を持ち込んで『光の実験』をはじめていきました。もちろん大成功!
翌日のこと、今度は「しゃぼん玉をつくりたい」というCちゃんつぶやきから、始まった『おおきなシャボン玉作り』の実験。その中でDくんが「科学館作りたいね」と言い始めたのです。片付けのあとの「話し合い」の時間に、Dくんの「科学館作り」の思いを聞いて、みんな大賛成。「いいね−!みんなで「さくら科学館」を作ろうよ」ということになりました。
そして、話し合いの末、こんなことが決まりました。
 ◎呼ぶ人は?ーすみれさん(年少児)・たんぽぽさん(年少児)
            ひまわりさん(年中児)・せんせいたち
        「うえちゃん(科学館の方)もよびたーい!」(来てくれるかな?)
 ◎いつ?ー実習の先生にも見せてあげたいから、5月28日
 ◎どんなことをする?ーロボット恐竜展・シャボン玉・金魚とザリガニ釣り
           ・プラネタリウム・サイエンスショー・遊園地
   
  シャボン玉作り プラネタリウム作り 
「さくら科学館」大成功!!
5月28日
 午前中は、すみれさん・たんぽぽさん(年少児)、ひまわりさん(年中児)を招待しました。一人ひとり自分が作った「科学館」を誇らしげに見せている姿が印象的でした。
 
 遊園地
 楽しみにしていて、どんどん滑り台を滑ろうとする小さい人たちに、「待っててね、まだ前の人がいるから、まだ赤信号だよ」とか「あわてないでね」と肩に触れて、危なくないように落ち着いてから滑らせようとしたり、小さい人にわかる言葉を使って上手に誘導してくれる姿がみられました。実習生の先生の話は聞かなくても、年長さんがいうとちゃんと約束を守っていた、などという話も聞きました。
 
 金魚・ザリガニつり
 釣り方を教えてあげたり、順番を待たせたり。小さい人たちに大人気だったこのコーナーでは、大勢の人をどんなふうにしたらスムーズに楽しませることができるのかをちゃんと考えてくれていました。「さかなを作りたい」という小さい人たちの要望にも「紙はここにあるよ」とすぐに答えてくれる優しい姿に驚かされました。
 
プラネタリウム
「スタッフ」が一番多いプラネタリウムは、どんなふうに役割を分担するのかが、まず課題になりました。入り口で案内する人、席に座らせる人、電気を付ける人、カーテンを開ける人、星の説明をする人に分かれてスタート!だんだんと慣れてくると上手にお互いの役割を交代しながら、本当のスタッフのように振る舞う姿が印象的でした。 
 
 シャボン玉
小さい人たちに大人気だったシャボン玉。子どもたちは「小さい子が(シャボン玉の液を)間違ってすっちゃったら大変!」と液を渡す時には、一人ひとりに丁寧に説明してくれていました。そして、液をこぼしてしまったあとを拭いたり,用具を片付けたり。「だってぼくたちは、科学館の「本当の人」だからちゃんと最後まで片付けなくちゃ」と、最後まで片付けをしっかりとやっていたのもシャボン玉のチームでした。とても誇らしげに、そう言っている姿がステキでした。
 
 
ロボット恐竜展
 ガオーッと吠える恐竜たちに小さい人たちは思わず尻込みをしてしまう、ロボット恐竜展。でも優しい案内役のお兄さんたちが「大丈夫だよ」と頭をなでて安心させてくれたり、手を引いてくれたり。恐竜の中に入ったり、太鼓をたたいたり出来る『体験型』の恐竜展になりました。そして、帰りには来館記念の『恐竜シール』というおまけも。自分が『楽しい』とか『嬉しい』と感じていることをちゃんと形にしているところがほんとにすごい!と思います。
 
 サイエンスショー
うえちゃんもびっくり!!だった『サイエンスショー』。ペットボトルロケットもあれだけ飛ぶものは危なくてできないし、空気砲の煙もダメ。幼稚園の中では出来ることが制限されてしまい、見てきたことをそのままやってみることは出来ません。が、ここが『考えどころ・がんばりどころ』です。小さい子でも危なくないようにそして楽しく、子どもたちと一緒に考え、試しながら作ったロケットと空気砲。うえちゃんからも「おもしろい!いいね」のお言葉をいただくことが出来ました。『いりぐち』『でぐち』の表示があるのもこのチームならではの細やかさですね。