最近少し思うこと 近年計算機資源が豊富になり,非常に多くの物理過程を考慮したモデルを それほど時間がかからずに高解像度で動かすことができるようになっています. また,競合するモデルが多くあることもあいまって, いかに簡単に動かせるようにして新規ユーザーを獲得するか, ということにまでモデル開発者が気を配らなくてはならない時代に なってきています. その一方で,悲しいことですが,モデルをブラックボックス的につかい 「何か複雑なモデルを使って降水量の予測結果がでました」的な研究をされる エンドユーザーの方もまた増えてきているように思います. 開発者の方にとっては,モデルの開発もまた研究の一部となりますが, エンドユーザーにとっては,モデルはあくまで 「自分がこれを知りたい」ということを知るための道具であり,あるいは, 「これがわかれば社会の役に立つ」ことを示すための道具であるはず (あるいはあるべき)です. 我々エンドユーザー側の人間は常に「自分の研究の目的はなんなのか」 「自分は何がしたくてモデルを使うのか」考えて 「どんなモデルにも前提となる仮定があり,それが適用の限界になること」 をわかったうえでモデルを使うべきだと痛感しております. 文責:相馬