☆ 第8回(12/1)の講義内容について(テキスト「4.2節 離散時間システム」まで終わりました.ただし,「4.2.4 畳み込み和とDSP」は,興味がある方について一読してもらうことに留めます.)

1. 「線形」「時不変」の概念を図4.5, 図4.6 を参考にして,理解しなさい.

2. 離散信号の畳込み演算についての手順をマスターし,着実に実施できるようにしておくこと.例題として,h(n) = [1 -1 1], x(n) = [1 2] のとき h(n)*x(n) を求めなさい(授業中に取り上げた例題について h(n) と x(n) を交換したものですが,答は同一です.これにより h(n)*x(n) = x(n)*h(n) という交換則が成立することを確認できます).

3. N点の信号とM点の信号を畳み込みした結果はN+M-1点の信号となることを,上記2の手順を振り返ることを通じて確認すること.

☆ 第9回(12/8)の講義内容について(4.4節 逆z変換まで終わりました.)

1. z変換の定義を確認すること.(逆z変換は「与えられたz変換 X(z) について,表4.1でパターンマッチングすることで,対応する時間波形 x(n) を求める」という使い方で十分です.それゆえ,数式として理解する必要はありません.)

2. 例題4.1, 4.2 について,演習問題問題ととらえて取り組むこと.(z変換の定義式を淡々と実施できるように!等比級数も復習しておいてください).

3. p.117 演習問題【1】に取り組むこと.

☆ 第10回(12/15)の講義内容について(「4.7節 システム伝達関数」まで終わりました.)

1. FIRフィルタ・IIRフィルタについて,「式」と「ブロック図」の対応関係を確認すること.

2. インパルス応答 h(n) のLTIシステムに「周波数がf [Hz] ,振幅が1の正弦波」を入力すると,どのような出力が得られるか?h(n) を用いて表現すること(式4.38).実際に【例題4.4】をトレースしてみること.

3. システム伝達関数(式4.39)の導出過程をトレースすること.また,z = e^{jωT} とおくと周波数特性が得られることを理解すること.

☆ 第11回(12/22)の講義内容について(「4.8節 ディジタルフィルタ設計の基礎」まで終わりました.ただし,教科書 pp. 111-116 は期末試験の範囲外とします.)

1. (復習ネタ)インパルス応答が h(n) のシステムに,x(n) を入力した際の出力 y(n) はどのような式で与えられるか?(式(4.10)と(4.11)).その応用として,前々回の演習で取り上げた「スピーカから音 s(n) を聞く状態を,ヘッドホンを用いて模擬」を考える(この場合に考えるべきシステムは「入力=スピーカへのインパルス」で「出力=外耳道入口に置いたマイクロホンからの出力」である).さて,ヘッドホンの左・右チャネルに与える信号 y_L(n)とy_R(n)は,どのように計算すればよいか?なお,そのスピーカから左耳,右耳への音響経路についてのインパルス応答をそれぞれ h_L(n), h_R(n) とする.
補足:AMラジオをヘッドホンで聴くと「音像の頭内定位(頭の中から音が聞こえる」が起こります.自分のPCでこのフィルタリングを行ってからヘッドホンで聴けば,スピーカを使って聴いたのと同じ効果があるのです.

2. p. 101のFIRフィルタの設計手順(1)〜(4)をマスターすること(式4.46で,右辺の係数の分子は 1 → T に修正してください).マスターできたことを確かめるために,p. 105 【例題4.6】を練習問題と思って解いてみること.
ただし,例題4.6の解答には以下のバグがあることに注意する.
・g(k)を求める数式の一番最後の式において,係数が T/kπ となっていますが,1/kπ と修正してください.
・「ω_c T = 1/2 (ω_c = 1/2 ω_s), ω_c T = 1/4 (ω_c = 1/4 ω_s)」と開いてありますが,「ω_c T =π/2 (ω_c = 1/4 ω_s), ω_c T =π/4 (ω_c = 1/8 ω_s)」と修正してください.

3. IIRフィルタの設計の一例として,「インパルスを入力すると正弦波を発生するフィルタ」を取り上げた.その設計手順をマスターすること.

☆ 第12回(1/12)の講義内容について(「5章 DFTとFFT」まで終わりました.ただし,期末試験の範囲は「5.2節 高速フーリエ変換 -- 時間間引きアルゴリズム」までとします.)

1. 回転子 W_N の意味をよく確かめた上で,DFTの式(5.8)をマスターすること.マスターできたことを確かめるために,p. 121 【例題5.1】を練習問題と思って解いてみること.

2. p. 121 【例題5.1】(3) は「2周期分のsin波」である.DFTにおける k=2の成分が,そのsin波を表わすことは想像できるでしょう.では,k=6 の成分は何であるか?.要点は,DFTとして,図5.1 (h) における「どのN点を1周期分として取り出すか?」ということです(普通は, 0〜N-1区間を取り出す.でも,フーリエ級数展開やフーリエ変換のことを思い出せば,-N/2 +1 〜 N/2 区間をとりだした方が気持ちよい?)

3. なぜFFTは,複素数の演算量(特に複素数の乗算回数)を減らすことができるのか?それを実感するために,
(1) 「8点 DFTを式(5.8)に従って実行する場合の乗算回数」を述べなさい(N^2です).
(2) 図5.3を見て,「2×(4点DFTを式(5.8)に従って実行する場合の乗算回数)+図5.3の右端における乗算回数」を,上記(1)と比べなさい.
(3) 図5.4を見て,「2×(2点DFTを式(5.8)に従って実行する場合の乗算回数)+図5.4の右端における乗算回数」を,上記(2)の「4点DFTを式(5.8)に従って実行する場合の乗算回数」と比べなさい.
(4) 図5.5を見て,「2点DFTをバタフライ演算により実行する場合の乗算回数」を求めなさい.これを(3)における「2点DFTを式(5.8)に従って実行する場合の乗算回数」と比べなさい.