SNSにおける遠隔地間の複数のユーザ同士のつながりを促進する箱型インタフェースの提案
概要
私達は同じ空間にいる人の足音や気配に気づく事で,他者とのつながりを感じる.
しかし,メールやテレビ電話,mixiに代表されるSNS等の遠隔地間での間接的なコミュニケーションでは,気づきの情報が無いため他者とのつながりが感じられず,十分なコミュニケーションが行えない.
そこで,mixiのコミュニティ内のユーザを対象とし,遠隔地間の複数のユーザ同士で箱の中身を仮想的に共有する事で,ユーザ同士がつながりを感じられる実世界指向の箱型インタフェースを提案,構築した.
本インタフェースは底面がディスプレイとなっている.本インタフェースに物を入れると蓋の裏側に設置されたカメラで撮影し,対象物を抜き出す画像処理を行う.
この画像はネットワークを通じて共有され,各々のユーザが持つインタフェースの底面のディスプレイに表示されることでユーザ同士での箱の中身の仮想的な共有を行う.
また,このとき各々のインタフェースの蓋が少し開く事で他者が物を入れた事に対する気づきを促す.
提案インタフェースについて,SNSのみを用いた場合と,SNSと提案インタフェースを併用した場合におけるコミュニケーションを比較する実験を行った.
その結果,本インタフェースがユーザ間のコミュニケーションの質の向上に有用であることが示唆された.
キーワード
コミュニケーション支援,実世界指向,つながり感,気づき
代表的な論文 / 口頭発表
- 白川 賢人, 木下 雄一朗, "SNSにおけるユーザ間のつながりを促進する箱型インタフェースの提案," ヒューマンインタフェースシンポジウム2009講演論文集, pp. 301-306, 東京, 2009年9月.