TRIM (the Transport of Ions in Matter)

TRIMは、モンテカルロ法によりイオン注入過程のシュミレーションを行うソフトです。IBMによって開発され、無料で配布されています。電子阻止、核阻止、エネルギー損失、衝突の際の原子の変位・反兆・スパッタリングなど、重要な課程が考慮されています。基板も8層までの多層膜やSiO2のような化合物の膜を取り扱うことができます。ただしチャンネリングは取り扱われていません。

現在配布されているのはSRIMと呼ばれるプログラムで、阻止能を計算するプログラムがついています。

環境:MS-DOS または WIN95,98NTは動かないようで す)。コプロ、 カラーモニター、420K以上のDOSフリーエリア(現在の DOS/V機は満足している)。

  1. srim.exeダウンロードして実行すると、同一のディレクトリ内にファイルが自動解凍・生成される。
  2. MS-DOSプロンプトウィンドウ*を表示させるか、DOSモードで再起動し、SRIMを解凍したディレクトリに移動**する。
  3. !重要! プロンプトからUSと入力してEnterキー (↓)。表示が英語モードに切り替わる。
  4. プロンプトからT
  5. あとはメニューにしたがってください。
*) スタート→プログラム→MSDOSプロンプト
**) DOSプロンプトやコマンドについては、スタート→ヘル プをみること!
  • 使い方の例

     1000ÅのSiO2を堆積したSiPイオンを120keVで注入した場合の射程を計算する。

    1. TRIMと書かれた画面:Any Key
    2. コマンド一覧画面:スペースバー(SBを押す。
    3. TYPE OF CALCULATION:↓ (デフォルトの簡易計算を選択)
    4. Limits on TRIM Size: Any Key
    5. Type of Plots:↓ (デフォルトで全表示を選択)
    6. ATOMIC NAME OF ION / What is the Ion Name?P↓ (大文字小文字は問わない、以下同)
    7. ATOMIC MASS / What is the Ion Mass?:↓ (デフォルト)
    8. Enter the Ion Energy (keV)120
    9. TARGET PHASE / Do you want to ....:↓ (デフォルトの固体相を選択)
    10. ELEMENTS IN THE TARGET / Enter one Target Atom nameSi
      Enter one Target Atom nameO
      Enter one Target Atom name:↓
      (基板の構成元素を入力する。本例ではSiOEnterキーで入力終了)
    11. TARGET LAYERS / Layer #1 - depth1000↓ (上層の膜厚、単位Å)
      Amount of Element : Si=1
      Amount of Element : O=2↓ (上層SiO2の組成を入力。Si1に対してOは2)
      Enter the density of Layer #1:↓ (デフォルト値を入力)
      Enter the layer descriptionSiO2↓ (層の名称を適当に入力)
    12. Layer #2 - depth5000↓ (下層〜本例ではSi〜の膜厚、単位Å。バルク基板なので予想されるイオンの最大到達距離よりも大きい値を入力する)
      Amount of Element : Si=1
      Amount of Element : O=0
      Enter the density of Layer #2:↓ (デフォルト値を入力)
      Enter the layer descriptionSi↓ (層の名称を適当に入力)
    13. Layer #3 - depth:↓ (層情報入力終了)
    14. TRIM / New Calulation or Resume Old Calculation ?という画面が出るまでEnterキーを繰り返して押す(途中、試行回数を指定する画面があります。設定したい人はよく英語を読みましょう)。この画面でNを押すと計算が開始される。

      SB 中断し、
      MENU OF DATA SAVES ...画面になる。
      R 続行
      A 深さ方向の濃度プロファイル表示。スペースバーでMENUに戻る。
      T 結果のテキストファイルを保存。
      Q 終了:Enterを2回押す(デフォルトを選択する)と結果を保存して終了する。(終了後でも前回の計算を引き続き行うことができる。前記コマンドメニューで、Oを押し、引き続きRを選択する。)
    15. 結果のテキストファイルは、特に指定しない限りプログラムのあるディレクトリに保存されている。RANGE.TXTが射程(濃度プロファイル)に関する情報。出力例

    TRIMに慣れたら、一番最初のコマンドメニューでRを選択して、阻止能計算もやってみてください。(操作はTRIMより簡単です。)

    注意)MSDOS英語モードを日本語モードに戻すには、プロンプトからJPと入力します。

    Windows上で動作するSRIM2000というのも配布されていますが、日本語システムでは動かないようです...どなたか動いたら教えてください。

    不明な点は近藤まで。
    kondoh@ccn.yamanashi.ac.jp
    最終更新2000.12.15

     

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    解凍後できるIBMNOTEというファイルも読んでください。

    マニュアル1(使い方と原理、英語)  マニュアル2(計算例、英語)

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