研究内容

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特定の化学物質を回収したり除去したりする場合,吸着剤や吸収剤が良く使われます。 吸着剤には,吸着させたい化学物質の分子(あるいはイオン)だけを取り込むことの出来る表面を沢山持っていることが要求されます。

そのためには目的とする化学物質の分子径に適した無数の穴(細孔)を持たせたり,ある吸着質にだけ選択性を示す物質(活性点)で修飾・担持・置換したりするといった材料設計が不可欠です。

ガスや有機溶媒の精製分離や空気清浄機のフィルターなどに使われている活性炭はその代表的な吸着剤であり,主として炭素元素で構成されています。

炭素体は有機物を加熱処理することで得られ,賦活という処理により多孔質(1000 m2/g以上)な材料へと変換することができます。
また,簡単に炭素体自体の形状を目的に見合った形に加工することができれば,その用途はさらに広がります。


我々は,活性炭ような多孔質炭素体の付加価値をさらに高めるため,
異種物質との複合化
多孔化
賦形化
原料炭素分の高固定化(炭素化収率の向上)
といった要素を同時に制御するような新たな調製法の確立を目指しています。
その担い手となる原料前駆体には,バイオマス資源であるセルロース誘導体(セルロース,デンプン,キトサン,…)に着目しています。
セルロース誘導体の物理的・化学的な特徴を活かして,いわゆる「混ぜて焼く」だけでこれらの4つの要素を同時達成するものづくりに挑戦しています。

具体的には次の研究テーマを行っています。
● セルロース誘導体ゲルを用いた金属担持バインダレスカーボンの合成
● ハロゲン処理セルロースカルボン酸塩からの鋳型様ポーラスカーボンの調製
● ハロゲン不融化処理による原料前駆体の多孔質化と高収率化
● 水熱・炭素化処理による多孔質球状カーボンの調製
● 食品廃棄物を利用した活性炭の作製と吸着剤用途の探索

キーワード:ハロゲン処理,水熱処理,セルロース誘導体

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