防災研究室

河川巡視システム(情報システム)

本研究では、出水時の河川巡視結果を、迅速かつ的確に巡視員間ならびに関係機関間で共有することによる市町村の避難判断の円滑化を図ることを目的として、河川巡視システムを構築しました。河川管理者、河川巡視員に対してヒアリング調査を実施し、河川の専門用語を用いることなく、出水時の河川巡視結果を端的に表す河川巡視評価項目を作成しました。また、この評価項目を用いて、現地から短時間で巡視報告ができるスマートフォン・アプリを開発しました。つぎに、現地からの河川巡視報告に基づいて、避難判断を支援する機能を、市町村の防災情報システム上に構築しました。河川巡視実証実験の結果、スマートフォンからの巡視報告は12分で完了し、巡視員全員がアプリの操作は簡単と評価ました。その際の河川巡視報告は、75%が付与した河川の変状と同一でした。残りは、被害レベルの相違によるものが主体でした。一方、屋内では市町村の災害対策本部や河川管理者による水防本部が、河川巡視結果に基づいた避難判断や水防対策を行う図上訓練を行いました。その結果、河川巡視の結果が避難3類型に対応した危険度レベルが付加されて報告され、また河川巡視評価項目、写真が共有される河川巡視システムは、県、市町村との連携、水防対策の判断、情報収集時間削減、正確な現場状況把握の観点から、水防活動の改善に期待できると評価されました。

 
           被害情報画面             河川巡視評価項目選択            被害地図閲覧(数字は危険度レベル)

                             災害対応管理システムの被害地図閲覧画面

                 甲府市消防本部・消防団                       国土交通省
                                     河川巡視実証実験