研究概要
ソフト防災の研究
危機管理の主体が内閣官房,内閣府,消防庁に分散しており,我が国には米国のICSのような一元的危機管理体制は存在しません.災害対応の最前線である市町村では,複数の上位機関,組織から,同じ内容の報告を何度も要求され,不慣れな職員が不眠不休の体制で災害対応に当たっています.そこで,中央の防災関係機関はもとより,地元の山梨県や甲府市等の地方自治体を取り込み,学外の研究機関や防災関係機関,民間企業,学内の情報工学や医学,社会学等の異分野の研究者と協働で,以下のようなテーマの研究に取り組み,現在の法体系の中でも運用できる新たな危機管理体制の構築を目指します。
- 災害対応管理システム
- リスクコミュニケーションによる地域防災力の向上
- 山間集落の災害時孤立対策
- 大規模河川氾濫に対する広域避難に関する研究
- 河川巡視システム
- 安否確認システム
- 情報共有プラットフォームの構築
- プローブカーを用いた災害時道路情報の提供に関する研究
- 道路被害推定システムの開発
- 災害医療に関する研究(医学部との連携)
- 首都直下地震防災・減災特別プロジェクト
ハード防災の研究
これまで実施してきた地下構造物の耐震研究を,さらに進展させたいと思います.私が企業において技術開発し,国土交通省(旧建設省)の官民共同研究,土木学会地震工学委員会で体系化した地下構造物の免震技術をはじめ,柔構造化,耐震構造化等の技術の開発や,技術の相互比較等を行い,技術の棲み分け,組み合わせにより,より合理的な耐震性向上技術としてまとめたいと思います.研究アプローチの手法としては,数値解析,実験ともに活用します..地震応答解析に頼りすぎ,陳腐化しつつある今日の地下構造物の耐震設計を見直し,合理的な耐震設計法を構築すべく,以下の研究に取り組みます.また,地震災害に限らず,1の研究で必要とされるGISの活用研究も広く実施したいと考えています。
- 地下構造物の合理的な耐震設計法に関する研究
- 地下構造物の耐震性向上・免震技術の評価に関する研究
- 防災工学におけるGISの活用に関する研究
- 3次元地震応答解析に基づいた甲府盆地の地震被害想定
ハード防災に関する以下の2つのシミュレーションを紹介します。
ハード防災に関する技術開発を紹介します。
- →地下構造物の免震技術
- →橋梁の制震装置
- →地下構造物の免震装置
- →振動実験によるアプローチ