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糸魚川―静岡構造線の研究

 糸魚川―静岡構造線(糸静線)活断層系南部に位置する下円井断層は,約2万年前に形成された低位段丘堆積物を変位させており,戸沢露頭のトレンチ調査によると,最新活動年代は,1,550±70yBP〜2,350±60yBPであると推定されている(遠田他,2000)。下円井断層の断層面沿いには黒色脈状岩がネットワーク状に分布しており,この黒色脈状岩は下盤の低位段丘堆積物や断層ガウジ中に注入していることから,下円井断層の最新活動時に地表下30〜40m以浅で生成された粉砕起源シュードタキライトであると推定されている(狩野他,2004)。一方,鳳凰山断層は,下円井断層の西方に約6km離れて分布しており,断層ガウジがほとんど認められないことから,新第三紀〜第四紀初期に形成されて以降は活動していないと推定されている(Koyama,1980)。下円井断層及び鳳凰山断層の北西方延長部には,M8級の大地震を発生させる可能性がある牛伏寺断層が位置しており,両断層が連動する可能性も指摘される。現在,下円井断層及び鳳凰山断層をはじめとする糸静線活断層系と両断層の南部に位置している活動性未認定の糸静線のESR年代測定を進めている他,これらの断層と糸静線沿いで最近発生している地震の震源分布との関係について調べている。

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