せん孔細菌病とは、細菌によっておこる病害で、モモのほかアンズ、ネクタリン、スモモにも発生する。枝で越冬し、春から夏にかけて枝、葉、果実に感染する。感染すると葉や果実に黒褐色の点々が現れる。症状が進むと早期に落葉し、樹勢を弱める。果実では、商品にならないモモができる。
風雨によって枝葉が傷つき感染が起こるので、台風や降雹の影響を強く受ける。モモ栽培において防ぐのが最も難しい病害である。
この病害は薬剤防除だけでは十分な効果が得られず、耕種的な防除が欠かせない。現在の耕種的防除は、防風ネットの設置や発病した枝の剪徐など、農家の経験による知識に頼って行われてきた。
本研究では、知識に頼った防除から、科学的根拠に基づく防除システムを開発することにより、モモ農家の負担を軽減し、安定生産につなげることを目指す。
モモせん孔細菌病画像 山梨県のホームページより転載
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葉の病斑
感染した葉はたくさんの穴が開き、落葉が多くなると収穫できるもモモの数が減る
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枝の病斑
枝に感染するとそこから先に葉が展開しなくなる
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果実の病斑
果実に感染すると褐色の点々が出て、ひどくなると穴が開き商品価値が無くなる
トピックス
- 降雹監視システムの検討を開始しました
- 地理情報システムを構築しています
- せん孔細菌病病斑検出装置を改良しています
新着情報
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2021/12/01
果実日本に小谷教授の記事が掲載されました。「IoTを活用したモモせん孔細菌病の拡大防止」
果実日本、第76巻、2021年12月号、p.47~51 -
2021/11/24
2021アグリビジネス創出フェアで小谷教授が講演しました。
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2021/11/24~26
2021アグリビジネス創出フェアに出展しました。
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2021/10/11
山梨大学生命環境学部附属農場で、マルチスペクトルカメラ搭載のドローンでデータ取得を行いました。
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2021/07/19
笛吹市モモせん孔細菌病防除対策本部で、小谷教授が「モモせん孔細菌病」をテーマに講演を行いました。
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2021/07/16
御坂町二之宮で、マルチスペクトルカメラ搭載のドローンを利用してデータ収集を行いました。