設立主旨と活動目的

土木学会コンクリート委員会

鉄筋コンクリート設計システム研究小委員会 第2期

340委員会

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更新日 2014-07-01 | 作成日 2008-07-30

設立主旨


 鉄筋コンクリート構造物の設計法は、許容応力度設計法から限界状態設計法へと移行し、現在では、仕様規定型設計法から性能照査型設計法へと移行している。その間、照査技術はめざましい進歩を果たし、鉄筋コンクリート構造物のありのままの振る舞いを表現することが、一部では既に可能となってきている。
 一方、これらの設計法の設計解としての鉄筋コンクリート構造物自体に着目すると、照査技術の進歩に伴う設計法の進化にも関わらず、構造形式、構造詳細等は従来の形態が踏襲され、一見すると設計法の進化を鉄筋コンクリート構造物から感じ取ることは不可能である。つまり、設計法は進化し、性能照査型設計法を論じるものの、実態として仕様規定型設計法からの脱皮がなされていないとも言える。特に、鉄筋コンクリートの配筋状況等をみると、一見すると照査技術の進歩は現実的には鉄筋量の増加のみで表現され、配筋詳細等は構造物の外見と同様に従来から大きな変化はない。
 このような状況は、照査技術の進歩と合わせて、その照査技術を利用した鉄筋コンクリート構造システムとして、あるべき姿を創造する探求的な検討や従来から踏襲されている構造・配筋詳細等を真剣に論じることを避けてきたか、もしくは、それらに目を向けて来なかったことが大きな要因であると考えられる。すなわち、優れた照査技術と照査システムを手に入れたとしても、それらを生かす創造性や、現状の構造・配筋詳細等の制約条件を適切に解消することに対する努力を怠れば、設計解たる鉄筋コンクリート構造の構造形式から詳細までを含む「かたち」(構造システム)は従来を踏襲したものとなり続けることになることを示唆している。しかしながら、広い意味で構造物の機能維持を図る維持管理においては、供用期間中に遭遇する地震後の復旧コスト等も含めた評価が求められるように、構造物の性能を多岐に渡り正当に評価することが重要である。その場合、上述の鉄筋コンクリート構造システムの進歩の停滞の解消は極めて重要な問題であると考えられる。

活動目的


 本小委員会では、鉄筋コンクリート設計システムのあるべき姿を探求することを究極の目的として、(1)従来の設計解である現存する鉄筋コンクリート構造物と、その制約条件たる構造・配筋詳細を含む設計法の変遷を調査し、(2)近未来の為の鉄筋コンクリート構造物の設計法と構造システム構築へ向けた課題抽出と検討を行います。