■研究紹介


微生物利用産業は、新しい菌株を自然界から分離・保存し有用機能を開拓するさまざまな研究によって 飛躍的な発展を遂げてきました。そして今日、醸造品、食品、農薬、医薬さらに化学製品などの生産を通じて、 バイオテクノロジーの根幹を担っています。  これまで見出された微生物はおよそ 10 万種に及びます。しかし実際に地球上に棲息している数の 20 %にも満たないと云われています。 このことは、新しい機能を持つ未知の有用微生物が自然界に数多く存在していることを意味します。 特に、地球上の物質循環をその根底で担う土壌微生物群の中には、バイオサイエンスの発展を促し、 人類に貢献するであろう無数の有用菌が潜んでいることが推定されます 。 私たちは、医薬品工業の主役である土壌微生物・放線菌に着目しています。 私たちの研究室では、DNA解析や数値分類法を用いて、希少放線菌の分類をしたり、 物理的方法・化学的方法を用いての有用放線菌の分離、また培養環境による産生抗生物質の違いを調べるなどの研究を行っています。


■放線菌とは


放線菌は、抗生物質や酵素たんぱく質などの菌体外分泌能力が高いことから、 医薬品や化粧品、食品などのあらゆる所で重要な役割を果たしています。 特に、抗生物質に代表される医薬の分野では、フレミングやワックスマンガペニシリンや ストレプトマイシンを発見したことが契機となって、数千にも上る抗生物質が種種の放線菌から見つけられました。 また、放線菌は有機物の分解能力が高く、例えば生ごみ分解の種菌としても使用可能です。

放線菌

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