■NITEのゲノム解析プロジェクトに採択


生命工学科が提案した「Actinoplanes missouriensis NBRC13243株のゲノム解析に係る共同研究」が、NITE(製品評価技術基盤機構http://www.bio.nite.go.jp/ngac/)の平成18、19年度プロジェクトに採択されました(10月26日)。11月から研究が開始されます。 これは、生命工学科の教員のほか、東京大学、北里大学、国立感染症研究所、さらに企業2社(メルシャン、長瀬産業)の教員、研究員が加わった総勢20名のプロジェクトチームにより、工業微生物である希少放線菌のゲノムを解読し、遺伝子の機能解析を行なうというものです。

希少放線菌は、耐性菌MRSAに有効な抗生物質、免疫抑制剤、酵素(たとえばブドウ糖からフルクトースをつくる糖質変換酵素、リグニンやセルロースを成分とするバイオマス分解酵素)などを生産する有用菌です。 今回の共同研究では、Actinoplanes missouriensisという希少放線菌のDNAの塩基配列を決定します。そして重要な遺伝子を見出してその機能を解析し、産業への応用を図ります。この研究プロジェクトにより、新しい医薬品や酵素の開発が期待されるとともに、地球上における微生物の進化と生態的役割の解明に関する研究が促進されます。 プロジェクトチームの氏名は下記のとおりです。 また、解析対象となる希少放線菌Actinoplanesの電子顕微鏡写真を示します。普段は土の中に生息しており、有機物の分解など、物質循環に重要な働きをしています。一般の放線菌(Streptomyces属)に比べ、生息数が少ないことから、希少放線菌と呼ばれます。

*「ゲノム(genome)」とは"gene(遺伝子)"と"chromosome(染色体)"を組み合わせた言葉で、生物のもつ遺伝子(遺伝情報)の全体を指す言葉です。

表 Actinoplanes missouriensis NBRC13243株のゲノム解析に係る共同研究 プロジェクトチームメンバー
氏      名

企業等名称・ 所属・役職(職名)

 早川 正幸

山梨大学大学院医学工学総合研究部(生命工学科) 教授

 飯村 穰

山梨大学大学院医学工学総合研究部(生命工学科) 教授

 宇井 定春

山梨大学大学院医学工学総合研究部(生命工学科) 教授

 中川 洋史

山梨大学大学院医学工学総合研究部(生命工学科) 助手

 堀之内末治

東京大学大学院農学生命科学科 教授

 大西 康夫

東京大学大学院農学生命科学科 助教授

 鮒 信学

東京大学大学院農学生命科学科 助手

 高橋 洋子

北里大学北里生命科学研究所 教授

 池田 治生

北里大学北里生命科学研究所 教授

 高松 智

北里大学北里生命科学研究所 専任講師

 小松 護

北里大学北里生命科学研究所 研究員

 石川 淳

国立感染症研究所生物活性物質部 室長

 星野 泰隆

国立感染症研究所生物活性物質部 研究員

 野本 史樹

長瀬産業褐、究開発センター 主任研究員

 卯津羅淳子

長瀬産業褐、究開発センター 主任研究員

 西本 幸史

長瀬産業褐、究開発センター 研究員

 佐古田昭子

長瀬産業褐、究開発センター 研究補助員



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