研究室配属情報



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 指導教員の退職のため2023年度以降の配属受入はおこないません  











1.研究  
「景観・観光・歴史資源を活かす地域づくり」「市民協働のまちづくり」に関する研究・活動をおこないます
 みなさんの問題意識を絞り込む過程を大事にして研究テーマや研究方法を決定していきます
        
2.風景との関わり
現地を歩くことが大事です。
景観・風景・デザイン・旅・生活文化(食・余暇・歴史など)が好きなことが望まれます。
         
3.地域(人々)との関わり 
住民・自治体・民間企業等とのまちづくりの現場に参加しながら研究を行い、実践の体験をします。
        




 地域をより暮らしやすい場所にするためには、数十年先を見通して計画をつくり、試行し、計画を修正しながら、 実行を重ねていきます。
 我が国では、農山村の衰退、地方都市圏の衰退、無秩序な郊外化、環境の乱開発、歴史資源や景観資源の消失、 居住空間の快適性の低下、地域コミュニティーの縮小など地域を取り巻く様々な問題があります。
 これらの問題を解決するためには、悪い部分を直すことに力を注ぐよりも、その地域がすでに持っている魅力の 素(景観資源・歴史資源・文化資源・人的資源など)を掘り起こし、それらを官民協働の自立的なまちづくり活動によって 再生、活性化させることの方が重要だと考えています。もしかしたら悪いと思っていたことは実は地域の個性・魅力かも しれません。
 本研究室ではそのための「発見・再生・活性化のシステム」を研究しています。対象はハード(空間・景観の実態 など)とソフト(人間 関係や規制手法や意識構造など)があり、景観、観光、防災、農業、商業、土地利用、自然 環境、 居住空間、交通、など様々な対象があります。
 特に景観は「生き方の表れ」であり、そこに住む人々が地域の将来を考える手がかりとなり、 自立的なまちづくりを促す契機となります。
 また観光は地域資源に経済的な利益をもたらすと同時に、地域に誇りや自信を認識させてくれます。

「地域計画・まちづくり」に将来携わる人には、
(1) 地域づくりに夢を持ち、様々な人の意見を調整し、信頼関係を構築し、協力して行動できる能力、 (言い方をかえれば「自分のため・自分の親しい人のため・目先の利益」ではなく「知らない他人・先人や未来の人々・未来への貢献」のために貢献できる姿勢)
(2)自ら課題を発見し、課題解決方法を見いだし、科学的な結論を導き、その信頼性の限界をふまえて判断し行動できる能力、 (言い方をかえれば「嘘をつかない・目先の保身ではなく・真実を謙虚に追求する」姿勢)
が必要と考えています。
(1)を実践現場への参加で学び、(2)を研究で学んでほしいと考えています。  
 


どんな研究をしている?

詳しくはこちらをごらんください
卒業論文・修士論文・博士論文

最近の研究テーマ例

<景観>
「眺望景観の研究」「坂道景観の研究」
「建築景観の研究」「道路景観の研究」
「色彩景観の研究」「脳科学による景観認識の研究」
「公園デザインの研究」

<地域活性化>
「若者の人口定着の研究」「まちづくり活動団体の実態や意識の研究」
「中心商店街の研究」「中心市街地活性化施策の研究」
「過疎地の商業の研究」「マルシェ・朝市の研究」
「伝統食の研究」「伝統行事の研究」

<観光>
「観光地の発展・衰退の研究」「中国人観光客の観光指向性の研究」
「観光化に対する住民意識の研究」 「ワインツーリズムの研究」
「フットパスの研究」

<農業>
「新規就農者の研究」「耕作放棄地・空き家の研究」
「農業と障がい者福祉の連携の研究」「棚田保全の研究」 

これらは過去の研究テーマであり、あくまでも参考です。



まちづくりの実践活動と先進地調査・交流

卒論研究以外に実践活動や視察に参加します。
本研究室ではこの実践活動での経験学習を重視しています。
この活動と卒論研究が関係する場合もあります。
参加するかどうかは学生の意思に任せています。

※2022年以降も、新型コロナ禍により、活動ができにくい状況が続くと予想されます

過去の例ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1)地域活動

自ら動く、提案だけでなく実践する、学生だけで行わない・地域の方々と一緒におこなう、志の高い方々とふれ合う、困っている課題に立ち向かう・地域の良さに光を当てる、自己実現ではなく地域貢献、自分たちは一時通り過ぎるだけ=地域のために・去っても持続に繋がる活動を、を大事にして活動してきました。

1-1)学生が企画し住民や企業と相談しながらイベント等を実施

■フットパス(地域の方々とコースづくりやお試しツアーイベントの企画と実施:富士河口湖町・甲州市・南アルプス市)
■子ども郷土教育イベント(地域の方々と手漉き和紙づくり、和紙紙バックづくり、和紙灯籠づくり、スタンプラリー(歴史編、水編、伝説編)、水路で遊ぼう、昔遊びで遊ぼう(地域の方達と):市川三郷町・南アルプス市)
■電動自転車・EVによる観光コースの学生企画と実施(企業の方と、春のコース、冬のコース、秋のコース、果物でスイーツづくりの企画・宣伝・実施:南アルプスゲートウェイ)
■獣害対策干し柿づくり(収穫できない柿の収穫・地域のおじいさんから干し柿づくりを学び販売:北杜市NPO文化資源活用協会)
■公園の設計と公園開園イベント(地域の方々と花植えイベント・祭りの復活・・・:市川三郷町)
■観光イベントでの学生盛り上げ班(おばあちゃんからほうとうやそばの伝統食を学び振る舞う、温泉マップを作成配布・・:南アルプス市)

1-2)学生のアイディア提案や学生だけの活動

■まち婚イベント(南アルプス市)
■無農薬野菜の栽培実践(甲府市)
■提案コンペへの応募(各地)

1-3)市町村やまちづくり団体や住民が企画したイベントへの参加・運営のお手伝い

■ワインツーリズム(ワインツーリズムやまなし)受付案内・体験・準備・反省会(2021年度:4月、11月に参加)
フォトロゲ(南アルプス市)調査・当日運営
■フットパスツアー・景観まちあるき・歴史まちあるき(甲州市・南アルプス市・中央市など)参加
■古民家再生(津金なかや)解体・土壁づくり・床張り・完成後のイベント(北杜市NPO文化資源活用協会)
■農山村生活文化体験(炭焼き・間伐(樹木伐採)・梅狩り・伝統料理(ほうとう・餅つき・保存食・梅酒・)(NPO文化資源活用協会・北杜市・甲州市・南アルプス市)
■お祭りのお手伝い(市川紙のまち祭・津金リンゴ祭・など)準備・当日お手伝い
■ホタル棲息調査への参加(市川三郷)
■石積みイベント(石積みガール)お手伝い
■温泉地の調査(温泉施設調査・交通量調査:湯村温泉地区の方々)
■地域資源の発掘と情報発信(各地)(2021年度は身延門内商店街の動画作成;門内商店街・身延山観光協会・山梨県)
身延町観光課YouTubeページへ
■景観改善イベントへの参加・お手伝い(ガードレールペンキ塗り・物置への焼き杉板張り:北杜市風景街道・甲州市・中央市など)

1-4)市町村の計画づくりワークショップ等への参加・ファシリテーターのお手伝い

■市民と行政の話合い(各地) 
■都市計画マスタープラン策定のための市民ワークショップ(各地)
例(昭和町)
■景観計画策定のための市民ワークショップ(各地)
例(南アルプス市:県内初の景観計画・シンポジウムで学生の登壇)
■緑のマスタープラン策定のための市民ワークショップ(各地)
例(南アルプス市・シンポジウムで学生登壇)
■公園等施設計画や設計のためのワークショップ(各地)
例(2021年度:甲斐市篠原公園市民ワークショップ
例(2021年度:こどもWS) 
■防災まちづくりワークショップ(市川三郷町、中央市など)


2)調査・視察・交流

百聞は一見にしかず、先進地を見る・先進的な方達に学ぶことが何より高い学習効果があると思います。(ただし、1)活動実践の経験をしていないと、先進地の方々の話は十分に理解共感できません。あるいは、活動実践してみて後で先進地の方々の努力・考えを理解できます。1)と2)は両輪です)

2−1)教員の調査の手伝い

■最近の例:海外の伝統的町並み保全と観光活用の調査(中国、イタリア、ドイツ、チェコ)、県内外の眺望景観調査、など

2−2)景観学習のための調査

■最近の例:小樽・函館・黒石・銀山温泉・海野、各地の重伝建地区 など

2−3)まちづくり先進地視察・交流

空間景観調査だけでなく視察先でまちづくり活動に関するお話を聞き学びます。当研究室だけでなく、県市町村職員の方たちや専門家の方たちと一緒に視察したり、他大学学生と一緒に視察交流、を行うこともあります。
■最近の例:草津温泉町役場、松本市役所、三島市役所、
NPOおぢかアイランドツーリズム、東北震災被災地、ア・ラ・小布施、グラウンドワーク三島、
北九州フットパス(北九州市立大学)、小城フットパス(佐賀大学)、
山梨県内のまちづくり団体との交流視察(山中湖村・北杜市など)(「美しいやまなし」まちづくりの会への参加)
  

3)最近の事例

過去には研究室学生のみと活動していましたが、2004年ころから他研究室や1〜3年生の参加希望者が増えてきたため
学生の提案で研究室学生以外も受け入れるため「学生まちづくりサークルFun in community」が発足しました。
その後、2014年山梨大学に地域未来創造センターが発足して、地域と大学の連携が盛んになり、全学対象の授業「地域課題実践活動(まちづくりの実践)」「地域課題実践活動(ワインツーリズムの実践)」がはじまりました。 
2016年以降は、研究室の地域活動と「地域課題実践活動」の内容がかなり重なっています。(2018年にFun in communityは参加者がいなくなったため廃部)
近年の活動は 「地域課題実践活動」 の内容(年度末の学生成果発表会ポスター)を参考にしてください。多くが本研究室学生と後輩1〜2年学生の協働で活動しています。
2020年度まちづくりの実践
2019年度まちづくりの実践
2019年度ワインツーリズムの実践
2018年度まちづくりの実践
2017年度まちづくりの実践その1その2その3
2016年度まちづくりの実践
さらに山梨大学以外の学生も履修できる授業
フューチャーサーチ(主に民間企業との連携)
もはじまり、
地域と学生の多様な連携の機会が設けられました(2021年度は28のプロジェクトが進行しています)。1〜2年生の参加が大半ですが、3年生以上になっても継続して企業・団体と活動する学生が増えています。

 これらの例はあくまでも参考です。新しいみなさんは新しいことを企画実践してほしいと思います。



地域社会システム学科学生さんへ

<こんな人が向いていると思います>
地域の環境を良くしたい。
景色を眺めるのが好き・絵やデザインや写真が好き。
旅行観光遊び、地理歴史文化、自然が好き。
人と接するのが好き・人を楽しませることが好き。
嘘をつくことはきらい。

<配属に際して>
●2年生後期の「地域計画学」、3年前期の「地域共生デザイン」を履修してください。
●1年または2年に
・自発的教養科目ー地域課題実践活動の「まちづくりの実践」
・フューチャーサーチ
を履修することを勧めます。


<よくある質問>  
●どんなところに就職している?
「公務員(市町村、県)・公益団体」と「計画系コンサルタント」が多く、概ね半々です。 最近は民間企業の、銀行、マスコミ、IT系への就職がみられます。 また地元(生まれ故郷に帰る留まる)指向の学生が増えています。 ただし配属する研究室や自身の研究テーマによって就職先が制約されることはありません。 地域づくり(地域計画やまちづくり)に興味がある学生が配属している結果として、たまたまこのような就職先になっているだけです。 就職先は本人次第です。卒業生から「まちづくりの実践活動への参加が就活に役だった」という報告は多く聞きます。 受け身の授業や就活マニュアル本からの学びはなく、自ら主体的に楽しく頑張った体験からの学びが、面接などでの一言の違いに表れるのかもしれません。
こちらをごらんください→卒業生・修了生の進学・就職

●研究室ゼミの進め方は?
講義期間中は毎週ゼミをおこないます。ゼミの日時は学生(履修状況)と相談して決めます。 ゼミは発表とディスカッションを中心におこないます。自分の発表は月に一度程度で順番がまわってきます。 つまり約1か月調査や勉強したことを発表します。 3年生は卒論研究に向けた準備(自分の問題意識の明確化と研究方向に関する基礎知識の習得と研究テーマ・研究方法の絞り込み)、 4年生で卒論研究を実施します。規模の大きな調査を行うときはみんなで助け合っておこないます。 例年1月中旬が卒論と発表概要の提出、1月末〜2月頭に卒論発表となります。 上記で示した地域活動はこれとは別におこなっていきます。活動は休日や夜におこなうことも多いです。

●研究テーマの決め方は?
研究テーマは(教員が指導できる範囲内で ですが)学生自ら考え決めてもらいます。 過去の研究テーマはあくまでも参考です。このテーマから選ぶということではありません(全く同じ研究はおこなう意味がありません)。 自ら問題を発見し、解決したい課題を設定し、その課題を解決に導く方法を考え、科学的な思考によって解決策(結論)を(自らが納得できる形で)提示できる、、そんな人材を社会は求めています。 そのために、研究テーマの決定、研究方法の決定にできるかぎりレールを引かず自ら悩み考えてもらう時間を多く割いています。 そして研究する内容は未知のものですから教員も答えは分かりません。一緒に考え成果を生み出していきます。

●どんな本を読めばよいですか?
地域づくりの研究は広範です。本(勉強すべき知識)は研究テーマによって異なるので、大まかな研究方向が決まったら、それに関する本などで勉強します。 また本人の興味関心や得意不得意も勘案して勉強の内容を相談して決めていきます。 例えば数学アレルギーが無ければ、アンケート調査の分析で多変量解析やテキストマイニング・AIなどコンピューターを使った分析手法を学んでもらう場合もありますし、 景観デザインに興味があれば設計スタディー(絵を描く・CADを使う)をまずおこなってもらう(本は後)こともありますし、 まちづくりに興味があれば本よりも活動の場に飛び込んで実践することの方が学ぶことが多く、実践の場が必要としている「役立つ研究」につながります。 テーマ・本人の希望や得意なこと によって勉強内容(本を読むだけでなく)は異なります。 ちなみに2021年度の研究テーマは「映像に取りあげられる景観特性」「インバウンド観光客の嗜好性」「観光まちづくり(観光に対する住民意識)」「農業の活性化(新規就農者を増やすためには)」「福祉と地域づくり」「公園のデザイン」「商業・中心市街地の活性化」と幅広くなっています。他の年度も同じような状況です。 ゼミではこの多様な内容でディスカッションをします。いろいろなことを学び視野を広げたいと思う人には本研究室は向いていますが、”このテーマは私は興味ないから関係ない”と思う人には本研究室は向いていないと思います。



他大学から修士課程・博士課程に進学を希望する留学生の方へ

2021年度受験(2022年度入学)までで他大学からの受入は終了しました。