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履歴および研究業績 | |||
私がこれまでどういう研究を発表してきたかをまとめてみました。
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履歴 | |||
1994.3. 福井大学教育学部小学校教員養成課程卒業 1996.3. 兵庫教育大学大学院学校教育研究科(修士課程) 教科・領域教育専攻言語系コース修了(教育学修士) 2000.3. 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程) 教科教育実践学専攻言語系(英語)教育連合講座単位修得退学 2000.4. 山梨大学教育人間科学部英語教育講座専任講師 2001.3. 兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科博士号(学校教育学)取得 2002.10. 山梨大学教育人間科学部英語教育講座助教授(現在に至る) |
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研究業績 |
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[著書] 2003.12.20. 発行 共著 『「自己表現活動」を取り入れた英語授業』 大修館書店 自分の思いや考えを伝える自己表現活動を活用することが、英語授業の活性化のカギであると捉え,自己表現活動を通して主体的に英語を学びたいと生徒に思わせる英語授業づくりのアイデアを提案した.第1章では,自己表現活動とは何か,自己表現活動の意義とは何かを提示した.第2章では,表現の必然性,具体性,自己関連性,自由度,といった要素が言語活動に備わってはじめて,生徒の表現意欲を高めることができることを提案した.第3章では,生徒の信頼感,感受性,想像力,英語力を育成することが,生徒の自己表現を支えることを示し,それらの育成方法を提示した.第4章では,さまざまなタイプの授業モデルを通し,どのように言語活動を連携させれば自己表現力を育成できるのかを示した.第5章では,自己表現力を育成するための評価のあり方を具体例を示しながら提案した.(田中知聡との共著) |
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2002.4.1.発行 共著 『新しい英語科教育法―理論と実践のインターフェイス―』現代教育社 学校教育における英語科教育法に必要な概念や指導方法を包括的にまとめ,理論と実践の両面からわかりやすく解説した(青木昭六編著.青木昭六ほか62名.全244頁).そのうち,3つの節を担当した.第2章4節 コミュニケーション能力の特徴 「B. コミュニケーション能力」(pp. 27-30)ではコミュニケーション能力の下位構成要素を解説し,第3章1節 教材研究の視点 「A. 指導の長期目標と短期目標」(pp. 35-36)では教材研究の基礎となる指導の長短期目標を設定する際の指針を提案した.そして第6章1節 言語活動を進めるための基本概念 「F. 発問」(pp. 86-88)では教師の発問のあり方を生徒の背景知識の活性化,理解の確認,理解の深化という3つの視点で解説した. |
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2002.4.1.発行 共著 『新学習指導要領に基づく英語科教育法の構築と展開』 現代教育社 新学習指導要領を受け,新しい英語科教育の目標の達成のために必要な考え方と指導の進め方を,理論および実践的な観点から,さまざまな学習環境における指導に適用できる具体的な指導実践の指針を示した(青木昭六編著.青木昭六ほか63名.全234頁).そのうち,第2章2節 教材研究の視点 B. タスク活動の設定と継続性 「2. コミュニケーション活動」(pp. 29-32.)と第7章5節 個別項目のテスト 「C. 文法」(pp. 173-175.)を担当した.前者は,生徒のメッセージを大切にしたコミュニケーション活動の特徴と活動のあり方を具体的に提案し,後者は,文法能力を測定するテストのあり方を知識としての文法と技能としての文法という区分から具体的に提示した. |
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2001.6.4.発行 共著 『コミュニカティブ・クラスの理論と実践』 東京書籍 授業そのものを一つのコミュニケーション活動と捉え,英語を媒体として授業を行うことにより,英語知識(正確さ)の獲得とコミュニケーション能力(流暢さ)の獲得の両方を可能にする授業のあり方を,生徒の教材への自己関与,生徒の意見・考えのクラスでの共有,生徒の心を動かすメッセージなどのキーワードを基に提案を行う (大下邦幸編著.大下邦幸ほか15名.全295頁).そのうち「II実践編 第1部 第5節 コミュニケーション・ストラテジーの指導」(pp. 158‐168.) を担当し,コミュニケーション・ストラテジーの指導例を,聞き取りにおける指導と発話における指導の両面から具体的に提案し,コミュニケーション・ストラテジーを指導する際の留意点を解説した. |
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2001.3.10.発行 共著 『コミュニケーションを目指した英語の学習と指導』 鷹書房弓プレス リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングの指導および語彙・文法・文化等の指導を含めた英語授業に関連する実践的なトピックを取り上げ,コミュニケーション能力の育成を目標にした英語教育への一つの提言を行う(次重寛禧編著.次重寛禧ほか13名.全317頁).そのうち「学習意欲を高める学習と指導」(pp. 33-47.)と「技能統合の学習と指導 (1) スピーキングとリスニング」(pp. 189-204.)を担当した.前者は,これまでの先行研究によって議論されてきた学習意欲に関わる要素を (1)目標言語および文化に関わる要素 (2)学習者に関わる要素 (3)学習活動に関わる要素の3つのレベルに分け,学習意欲を支えているものは何かを概観し,その要素を生かした学習意欲を高める学習・指導の具体例を解説した.後者は,『実技教育研究』 第13号で掲示した論文を加筆修正した. |
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2000.8.1.発行 共著 『英語教育学論集―青木昭六先生古稀記念論文集―』 桐原書店 英語教育に関連する諸問題を,理論編と実践編の2部構成で論じた英語教育学論集(青木昭六先生古稀記念論文集編集委員会編,次重寛禧,山岡俊比古,二谷廣ニほか18名,全306頁).「関係節化に関する指導効果の一般化について― 口頭表出タスクによる検証」(pp. 53-65.)というタイトルのもと,『IRICE PLAZA』 第9号で掲示した研究の追試を行った.関係節において,あるタイプの関係節に関する文法指導の効果が,接近度階層の上位にある構造に一般化されるとする仮説が,文法指導の練習およびそのテストとして口頭表出タスクを用いた場合においても確認できるかどうかを検証した.この実験では,22人の短大生を被験者とし,SOタイプの関係節のみを指導した.その指導効果は,オーラルタイプのテストで指導後に測定された.その結果,SOタイプの指導を受けた被験者は,SOタイプより階層の上にあるすべてのタイプの関係節において得点の向上を示した. |
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1998.3.14.発行 共著 『これからの英語教育― 研究と実践』 東京書籍 英語教育に関連する広範囲にわたる分野から今日的な課題や問題点を取り上げ,これからの英語教育のあり方を理論的・実践的に示唆した(茨山良夫監修.福井英語教育懇話会編.茨山良夫ほか25名.全365頁).そのうち第8章「英語授業における2種類のタスク― 分析的タスクと統合的タスク」(pp. 108-123.)を担当した.この章では,分析的・統合的という区分を用いて教室で行われる言語活動を分類し,その2種類の言語活動の長所と短所を考察した上で,相補的関係で2種類の言語活動を実施していくことがコミュニケーション能力の基礎を育成するために必要であることを提案した. |
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1995.12.10.発行 共著 『コミュニケーションにつながる文法指導』 大修館書店 コミュニケーションを重視した授業においても文法指導が重要であることを第2言語習得理論の研究成果をもとに主張し,学習者の意思をより正確に伝えることができるような文法指導のあり方を理論と実践の両面から提案した(高島英幸編著.高島英幸ほか20名.全171頁).日・英語の時制と相の違いに着目し,進行形・完了形・時制の一致を中心に場面に応じて適切に表現できる力を育成する指導法を提案した第4章「日本語と英語の違いを考慮した文法指導」(pp. 55-97.),過去形と受動態の使い分けを指導する具体的な例を提示した第5章「これからの文法指導」(pp.99-112.) ,本書に使用された英語教育関連の用語を解説した第8章「用語の解説」(pp.137-154.)を担当した. |
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[学術論文] 2005. 2. 15. 発行 単著 「学習者のセルフモニタリングによる自己修正について」 『中部地区英語教育学会紀要』 第34号 中部地区英語教育学会 本論では,コミュニカティブな言語活動の後に、学習者に自分のアウトプットを自己修正させる機会(本論では,セルフモニタリングと呼ぶ)を持つことは、言語の正確さを高める指導の一つとして有効であるかどうかを調査した.日本人大学生29名を対象に,ライティング活動として,一連の絵の内容について物語文を英語で書かせ,その後セルフモニタリングによる自己修正をさせる,そして,文法テストにより被験者の明示的知識の保持を確認する,という3つのタスクを行った.その結果,以下のことが明らかになった.コミュニカティブな言語活動後に自分が書いた文の誤りを学習者自身の力で自己修正させることは可能であり,言語の正確さを高める有効な手立ての一つでることが分かった.ただし,自己修正できる学習者とそうでない学習者が存在し,明示的知識があるからといって自分の誤りを自己修正できるとは限らないことも分かり,学習者の力のみによる自己修正の限界も考慮する必要があることが明らかになった.(pp. 297-304.) |
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2004. 3.15.発行 単著 「コミュニケーション活動における明示的知識の活用と言語使用の正確さ」 『中部地区英語教育学会紀要』 第33号 中部地区英語教育学会 コミュニケーション活動を大切にしながらも、どのように言語の正確さを高めていくかという問題は極めて重要であるにもかかわらず,まだ十分に議論がなされておらず,その解決策もしっかりと提案されているとは言えない.そこで,本論では,学習者がすでにもっている明示的知識に着目し,言語表出の誤りに学習者自身に気付かせ自己修正させること,つまり,学習者によるモニタリングの可能性に関し,これまでの研究動向を整理した.学習者の形式への意識と意味のやりとりとのトレードオフの関係,学習者のもつ明示的知識がモニタリングとして作用する可能性,学習者による言語表出中および表出後のモニタリングが言語の正確さを高める実験報告,などの考察を行った.その考察をもとに,コミュニケーション活動を行いながらも同時に学習者の言語の正確さを高める指導において重要となるポイントを提案した.(pp. 49-56.) |
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2002. 2. 15. 発行 単著 「コミュニケーション活動における言語使用の正確さを高める指導」 『中部地区英語教育学会紀要』 第31号 中部地区英語教育学会 コミュニケーション活動を行いながら言語使用の正確さを高めていくためには, 活動の計画と実施を合理的に行っていくことが求められる.これからは,単にコミュニケーション活動を授業で行っていくだけではなく,コミュニケーション活動を行いながらどのように学習者の気づきを高めることができるのか,また,どのようにすれば活動を生かして生徒の学ぶ意欲を高めることができるのかという課題の重要性を強く認識し,その解決策を多角的に検討していくべきである.本発表では、コミュニケーション活動の事前活動および事後活動の役割やあり方を見直し,生徒の気づきや学習意欲を高めるための仕掛けを作っていくことを,コミュニカティブな英語授業を失敗に終わらせないための解決策の一つとして提案した.(pp. 313-320.) |
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2001.3.26.認定 単著 “The Roles of Practice in Second Language Acquisition: The Complementary Roles of Comprehension and Production Practice in Grammar Instruction” 兵庫教育大学連合学校教育学研究科博士論文 英語の文を迅速かつ正確に理解し表出する力を育成するために,様々な練習が文法指導の中で行われてきている.最近の研究では,文法指導における理解練習と表出練習のどちらが,第二言語習得に貢献するかについて比較検討されてきている (e.g. VanPatten & Cadierno 1993; Ellis 1991).しかし現在のところ,それぞれの練習の効果を支持する実験結果が報告されている.これらの先行研究を再検討し,さらに,これまでの入力処理ならびに表出処理に関連する研究を考察すると,理解練習と表出練習は両者とも,迅速で正確な運用を支える言語知識を形成するために重要であることが明らかになる.これまでのところ,文法指導でのこの2種類の練習は,第二言語習得を促進する独自の役割があり,相補的な関係にあるという認識は低く,その重要性すら議論されることは少なかった.そこで本研究は,理解練習と表出練習を組み合わせた場合,個々に練習を行う場合よりも練習効果が大きくなるとの仮説を立て,関係詞および心理動詞を目標構造とし,高校生ならびに大学生を被験者として,筆記および口頭による練習効果を測定する3つの実験を行った.本研究の結果から,理解練習と表出練習を組み合わせることにより,目標構造の習得において相乗効果がもたらされることが明らかになった.このことから,理解練習と表出練習の連携こそが,コミュニケーションの基礎を育成する効果的な文法指導を行う上で重要であることを主張した. |
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2001.3.15.発行 単著 “Grammar Practice and Second Language Acquisition” 『言語表現研究』第17号 兵庫教育大学言語表現学会 文法指導の内容,とくに,これまでの外国語教授法で用いられた練習の種類を概観しながら,第二言語習得を効果的に促進する練習のタイプを考察した.これまでの教授法において,練習は大まかにみて2つのタイプに区分できる.統合的な言語習得観にもとづくタイプと分析的な言語習得観にもとづくタイプの練習である.文法指導における練習のタイプとして両者は独自の特徴・指導目的をもつ.第二言語知識体系の発達を促す練習の条件として,自然な言語使用の中で,学習者の意識が言語構造に向けることが挙げられる.この観点から練習を見た場合,統合的な練習は意味と形式の乖離が問題となり,分析的な練習は学習者の言語形式への意識化の難しさが課題となる.本論では,両者の練習の特徴を十分に理解してはじめて,第二言語習得を効果的に促進させる文法練習を実施することができることを述べた.(pp. 74-85.) |
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2001.5.発行 単著 “Comprehension and Production Practice in Grammar Instruction: Does Their Combined Use Facilitate Second Language Acquisition?” 『JALT Journal』 第23巻1号 全国語学教育学会 『JACET Bulletin』 第30号で掲示した研究をもとに,文法指導における理解練習と表出練習の組み合わせによる効果が関係代名詞以外の構造の習得にもあるかどうかを調べるために追試を行った.本研究では,理解型の練習と表出型の練習を組み合わせた場合,個々に練習を行う場合よりも練習効果が大きくなるとの仮説を立て,心理動詞を目標構造とし日本人短大生を被験者として,練習効果を測定する実験を行った.その結果,理解型と表出型の練習を組み合わせた文法指導は,個々に練習を行う文法指導よりも効果的な学習をもたらし,その指導効果が持続することが明らかになった.(pp. 6-30.) |
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2000.12.20.発行 単著 “On the Developmental Process of the Second Language Knowledge System” 『山梨大学教育人間科学部紀要』 第2巻1号 第二言語習得の認知過程に関するこれまでの主張および研究報告を概観し,第二言語知識体系の発達過程を考察した.第二言語習得過程は,言語知識体系内の情報処理システムと知識体系システムを量的質的に発達させていく過程であると捉えることができる.すなわち,第二言語学習者が言語理解および言語表出の情報処理を繰り返す中で,言語の意味と形式に気づき,意味と形式の結合を強化し,それを知識体系に統合し知識体系全体を再構築していく認知作業が,第二言語習得過程であると考えられる.この認知過程の特徴を踏まえた上で,文法指導および練習の役割を考察することが重要であることを主張した.(pp. 151-162.) |
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1999.10.15.発行 単著 “The Effect of Combination of Comprehension and Production Practice in Grammar Instruction” 『JACET Bulletin』 第30号 大学英語教育学会 コミュニケーション能力育成のために文法指導においてさまざまなタイプの練習が行われる.文法指導で行われる練習の区分に表出型と理解型の練習があるが,この2つの練習を組み合わせた場合,別々に練習を行う場合よりも練習効果が大きくなると仮定し,高校生と短大生を被験者に2つの実験を行った.この実験では,表出練習のみ行うグループ,理解練習のみ行うグループ,表出と理解練習を組み合わせて行うグループに分け,関係節に関わる文法説明と練習を行った.その結果,表出型と理解型の練習を組み合わせたグループは,他の2グループと比べ,関係節の学習において最も大きな練習効果を示した.また,その効果は1ヵ月たっても維維持されることが明らかになった.(pp.119-133.) |
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1999.3.発行 共著 「外国語としての英語の習得過程における知識と技能の関係について(2)」 『実技教育研究』 第13号 兵庫教育大学学校教育学部附属実技教育研究指導センター 外国語としての英語によるコミュニケーション能力の知識と技能の育成を支えるカギを考察し,4技能のなかでも,特にリスニングとスピーキングの2つの技能に焦点を絞り,リスニングとスピーキングの2技能に関するこれまで明らかにされてきている知見をどのように英語授業に関連づけていくべきかを考えた.各技能がどのような特徴をもっているかを分析的に概観し,オーラルコミュニケーションのなかでどのような機能を果たしているのか検討した.さらに,リスニングとスピーキングの共通点と相違点を認識した上で,2技能をどのように統合していけばよいのかを具体的なタスクを提示することによって提案した.共著次重寛禧・田中武夫.(pp. 85-98.) |
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1999. 3.発行 単著 “On the Generalization of English Relative Clause Instruction” 『IRICE PLAZA』 第9号 国際コミュニケーション英語研究所 関係節を含む文は大きく分けて4つのタイプに分けられる.その中でも関係節が文の主語に位置し,目的格として機能するSOタイプは,言語類型上最も有標であり,学習が困難であると考えられている.これまでの第2言語習得研究の中で,有標形の構造を指導することによって,指導していない無標形にもその指導効果が転移するという実験結果が報告されている.その転移効果が日本人学習に対しても現れるかどうかを日本人高校生を被験者として実験を行った.その結果,有標形のみの指導を行った場合でも,指導していない無標形の構造にその指導効果が転移したことが明らかになった.(pp. 80-90.) |
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1999. 3.発行 単著 "On the Implementation of Task in the Second Language Classroom: The Concept of Task and Its Components " 『兵庫教育大学教科教育学会紀要』 第12号 兵庫教育大学教科教育学会 第2言語教育の分野で最近注目されてきているタスクの概念を正しく理解したうえで授業を実施することが必要であると考え,タスクの多様な捉え方を関連文献より考察し,タスクの定義は,それが基盤とする言語教授アプローチと授業のあり方に影響されていることを明らかにした.また,タスクに共通する構成要素には,内容,手順,目的,場面,結果,学習者・教師があげられ,タスクの基盤となる言語教授アプローチを見据えて構成要素を調整しながらタスク設計・実施を行っていくことが重要であることを主張した.(pp. 28-37.) |
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1998.3.発行 単著 “A Comparison of the Roles of Production and Comprehension Practice in Second Language Acquisition” 『中部地区英語教育学会紀要』 第28号 中部地区英語教育学会 文法指導の中で行われる練習には表出型と理解型の2つのタイプがある.最近の第2言語習得研究において,目標構造を含んだ文を読ませる(聞かせる)理解型の練習が目標構造を含んだ文を書かせる(発話させる)表出型の練習よりも目標構造を習得させる上で効果的であるという研究報告がなされている.それらの先行研究の問題点を指摘し,表出型の練習にも学習効果があることを仮定し,高校生63名を被験者に実験を行った.その結果,関係節の指導において,表出型の練習を行ったグループは,理解型の練習を行ったグループよりも,練習効果が大きいことが明らかになった.したがって,文法構造によっては,表出型の練習の役割が十分見られる可能性があることを示した.(pp. 127-134.) |
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1997.3.発行 共著 「コミュニケーション能力の育成を目指す言語知識の構築について」 『実技教育研究』 第11号 兵庫教育大学学校教育学部附属実技教育研究指導センター 外国語としての英語の習得過程における知識と技能の関係を明示的知識と暗示的知識という区分で捉え,先行関連研究による成果の考察を行った.その結果,明示的および暗示的知識は言語使用ならびに言語習得の過程において両方とも重要な役割をもち,明示的知識は学習者の意識を言語構造に向ける方法で育成し,暗示的知識は,メッセージに焦点を置くような実際のコミュニケーションに近い状況のもとで育成されるべきであることが明らかになった.この結論をもとに2種類の知識の育成をねらったタスクの具体例を提示し,タスク作成の一つの視点を提案した.(pp. 107-118.) 共著,次重寛禧・田中武夫. |
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1996.12.20.発行 単著 「教室内第2言語習得におけるインプット処理の役割」 『中部地区英語教育学会紀要』 第26号 中部地区英語教育学会 インプットの与え方に関する一連の研究成果である,インプット仮説,意識昂揚,そしてインプット処理に基づく主張を比較検討し,教室における文法指導においてインプットをどう与えるべきかを関連文献によって考察した.この考察から,教室内で目標構造を効果的に習得させるためには,少なくとも次の3つの条件が必要であることを主張した.第1に,理解可能なインプットを豊富に与えること.第2に,目標構造の明示的知識を与えること.第3に,インプット処理に基づく指導によって目標構造の形式と意味の結合を行うこと.(pp. 301-308.) |
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1996.3.認定 単著 "The Role of Student-Student Oral Interaction in Second Language Learning: An Empirical Study from the Perspective of Output" 兵庫教育大学修士論文 第2言語習得におけるインプット仮説,インタラクション仮説,アウトプット仮説の一連の理論研究を学習者の「気づき」の観点から考察したうえで,これまで着目されることが比較的少なかった第2言語習得における学習者同士のオーラル・インタラクションに着目した.とくに,インタラクションのなかでのアウトプットの役割に焦点を絞り,対話者に対してアウトプットすることで学習者が表現したい内容と実際に発話できる内容とのギャップに気づき,そのことが学習者の中間言語体系の育成に貢献するという仮説を導いた.この仮説に基づき大学生を被験者とした実験を行った結果,学習者同士のインタラクションは,アウトプットの量を増やし,インタラクションのなかでの聞き手による明確化要求が,話し手の発話を引き出すことが明らかになった.しかし,インタラクションのなかでアウトプットさせることにより未習の言語項目を習得するという結論にまでは至らなかった.そのことから,アウトプットの役割は,新事項の習得にあるよりもむしろ既習事項の定着にあるのではないかという示唆を得た. |
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1995.12.20.発行 単著 「第2言語習得における学習者(非英語母語話者)同士のインタラクションの役割 ― アウトプットの視点からの実証的研究 ―」 『中部地区英語教育学会紀要』 第25号 中部地区英語教育学会 学習者同士のインタラクションを行うことにより発話量が増え,また,学習者が言語項目に意識する機会が増えることで,第2言語習得がより促進されるという仮説を設定し,大学生38名を被験者とし実験を行った.この実験では,ペアワークのなかでの被験者の発話量を測定し,被験者がインタラクションを行うことで未習の語彙を習得できるかどうかを検証した.その結果,インタラクションを行わないで発話させる場合と比べ,インタラクションを行って発話させる場合,学習者の発話量は増加するものの,語彙の習得にまでは至らないことが確認された.(pp. 157-162.) |
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[事例集] |
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[雑誌記事] 2002.9. 「大学での自己表現活動への挑戦」 『英語教育』10月号.大修館. 筆者の取り組んできた大学での自己表現活動の準備の方法と活動の展開例を紹介した。(pp.25-27) |
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[報告書] 2005.3.「英語カリキュラムに於ける検定英語についての調査プロジェクト報告書」山梨大学 『平成16年度戦略的プロジェクト』検定英語プロジェクトチーム |
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[書評] 2004. 11. 三浦省吾(監) 前田啓朗ほか(編著). 「英語教育のための教育データ分析入門(大修館書店)」 『GCD英語通信』 大修館書店 |
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[口頭発表] 2005.6.25.
「研究論文の書き方・まとめ方」第35回中部地区英語教育学会山梨大会(山梨大学)英語教育研究法セミナー「研究法・データ分析法・論文を書く際の注意点」にて提案 |
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[講演] 2005.12.5.「第二言語習得のメカニズムからみた英語学習のあり方」
出前講義 山梨県立日川高等学校 |
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[社会活動] 山梨県小学生英語活動研究協議会委員(山梨県教育委員会)平成16年6月17日から現在まで |
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[科研費] 2005.4. 平成17年度科学研究費補助金(若手研究(B)) |
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[受賞歴] 2002.9.10. 第13回テレビ山梨サイエンス振興基金研究助成 |
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(c) Copyright 2001 Takeo Tanaka |