【一般書】そして夜は甦る

原尞(りょう)氏が1989年に発表した,約30年をかけて執筆が続けられているシリーズ作品の第一作です.昨年にシリーズの新作が14年ぶりに出版されたことから,以前に読んだ同作を今回改めて読み返しました.

 

このシリーズ作品の評価は,良くも悪くもハードボイルドの手法を日本を舞台にして貫いていることにつきるものと思われます.人物の感情を多く説明せず,客観的な描写を徹底させた文体は一文あたりの密度が非常に濃いもので,合う・合わないがあるにせよ一読の価値はあると思います.

 

主役の沢崎はハードボイルドの美学を詰め込んだような探偵として描写され,各所で言及されているように(また作者自身も述べているように)レイモンド・チャンドラーの作品に登場するフィリップ・マーロウと人物像が重なります.仮にこの作品を映画化した際は誰が主役を演じるのが良いだろうかと考えると,また面白さがあります.

2019年02月06日|ブログのカテゴリー:一般書