【一般書】三体

中国のSF作家劉慈欣による小説です.タイトルの三体は,比較的シンプルな構造であるにも関わらず解析解が求めれらないことが証明されている,物理学の「三体問題」という数理モデルから来ています.

非常に読み応えのある本格的なSF小説で,印象深いシーンも多く楽しく読むことができました.有名なSFの古典と並んで,間違いなくSFの歴史に残る一冊だと思います.

 

優れたSF作品に触れた時に感じるある種の感覚を,「センス・オブ・ワンダー」と表現するそうです.それがどのような感覚なのか,うまく説明された文献が見当たりませんが,私は「優れた想像力によって示される未知のものに出会ったときの感動や畏敬」ではないかと解釈しています.

三体もまた,そのような感動を充分に与えてくれる,非常に良い小説でした.

 

2020年01月08日