山梨大学 圧電フロンティア研究ユニット

ドメインエンジニアリング

担当:和田智志・上野慎太郎・藤井一郎
所属:応用化学科
専門:無機化学

 

過去のトピックス

Minsu Kim 研究員と修士課程2年の相澤 朋弥さんがThe 35th International Korea-Japan Seminar on Ceramics で受賞

 平成30年11月21日(水)~24日(土)、韓国のLakai Sandpine Resortで開催されたセラミックス材料を討論する国際会議「The 35th International Korea-Japan Seminar on Ceramics」において、キム・ミンス工学部研究員が「Young Ceramist Best Presentation Award」を、大学院修士課程2年工学専攻応用化学コースの相澤朋弥さん(指導教員:和田智志教授)が「Outstanding Poster Presentation Award」をそれぞれ受賞しました。

 キム研究員の賞は、特に優れた研究発表を行った若手研究者に授与されるものです。
【研究題目】
 「Fabrication of 85(Bi0.5Na0.5)TiO3–15 hexagonal BaTiO3 green body with high magnetic field electrophoretic deposition method」
【発表内容】
 (Bi0.5Na0.5)TiO3系圧電セラミックスは特定の結晶方位にセラミックスを配向させたとき、圧電特性が向上することが知られています。本研究では、[111]方向に配向した85(Bi0.5Na0.5)TiO3-15BaTiO3セラミックスを作製するため、強磁場下で電気泳動を行う特殊な手法によって、配向度80%以上の成形体の作製に成功しました。今後は焼結条件を最適化し、高配向の圧電セラミックスにすることを目指しています。
【コメント】
 受賞を大変光栄に思います。実験の全過程をご指導いただいた和田教授、実験結果の解釈をお手伝いいただいた藤井一郎助教及び上野慎太郎准教授、強磁場下での電気泳動実験をご指導いただいた(国研)物質・材料研究機構の鈴木達様及び打越哲郎様、研究室の皆様に感謝申し上げます。今後も受賞を励みに研究活動に精進します。

 相澤さんの賞は、特に優れたポスター発表を行った研究者に授与されるものです。
【研究題目】
 「Investigation of Sintering Conditions and Electric Properties of BiFeO3-based Piezoelectric Ceramics」
【発表内容】
 BiFeO3系圧電セラミックスは、焼結時におけるビスマス揮発により圧電特性の低下が問題となっています。本研究では焼結時の雰囲気制御及び焼結後のポストアニール処理時の降温速度の影響を調査しました。この結果をもとに、焼結条件の最適化を行うことで更なる圧電特性の向上が期待されます。
【コメント】
 受賞を大変光栄に思います。ご指導いただいた和田教授、上野慎太郎准教授、藤井一郎助教、(国研)物質・材料研究機構の鈴木達様を始め、ご協力いただいた関係者の皆様に深く御礼申し上げます。今後も受賞を励みに研究活動に精進します。

Sangwook Kim 研究員, 博士課程3年のGopal Prasad Khanalさん, 修士課程2年のHyunwook Namさん, 修士課程2年の相澤 朋弥さんが「第38回エレクトロセラミックス研究討論会 研究奨励賞」受賞

 平成30年11月15日(木)~16日(金)、富士通労働会館(神奈川県川崎市)で開催された(公社)日本セラミックス協会電子材料部会主催「第38回エレクトロセラミックス研究討論会」において、キム サンウォック 工学部科研費研究員、大学院博士課程工学専攻グリーンエネルギー変換工学特別教育プログラム3年のカナル プラシャド ゴパルさん、同修士課程2年のナム ヒョンウクさん、大学院修士課程工学専攻応用化学コース2年の相澤朋弥さん(以上学生3名の指導教員:和田智志教授)が、研究奨励賞を受賞しました。
 この賞は、同会において優秀な研究発表を行った若手発表者に授与され、その功績を称えるとともに今後の研究活動を奨励するものです。  受賞対象となった研究題目は「Bi系圧電セラミックスにおけるマテリアルソフトニングの起源(キム研究員)」、「高配向(Bi0.5K0.5)TiO3圧電セラミックス作製のための条件最適化(カナルさん)」、「アニール条件がBi系圧電セラミックスに与える影響(ナムさん)」、「BiFeO3系圧電セラミックスの焼結条件の検討と物性評価(相澤さん)」です。
 いずれも、毒性の高い鉛を含む既存の圧電材料を代替するため、高温領域でも使用でき、かつ優れた圧電特性を示す非鉛Bi系圧電体を開発することに挑戦した研究です。今回の研究で、種々のBi系圧電体を結晶構造レベルからセラミックスを構成する粒子のレベルに至るまで構造設計・制御に工夫を施すことにより、Bi系圧電体の微構造と圧電特性との関係が明らかになりました。圧電材料は、センサー、医療、エネルギー変換など幅広い分野において使用されている材料であり、今回の研究を礎に、より優れたBi系圧電体の開発を進めることで、環境負荷の小さな圧電デバイスが身近に活躍する時代が訪れるでしょう。
 受賞者を代表し、キム研究員は「受賞を大変光栄に思います。ご支援いただいた多くの皆様に御礼申し上げます。今後も受賞を励みに研究活動に邁進します」と述べています。

修士課程1年の畠山朔弥さんが「日本セラミックス協会 第31回秋季シンポジウム 優秀発表賞」を受賞

 平成30年9月5日(水)から7日(金)、愛知県名古屋市にて開催された「日本セラミックス協会 第31回秋季シンポジウム」において、修士課程1年応用化学コース(指導教員:和田智志教授)の畠山朔弥さんが同会の発表セッション「ナノクリスタルが拓く新しいセラミックス技術」にて、「優秀発表賞」を受賞しました。本賞は優秀な研究発表を行った学生に授与され、その功績を称えるものです。
 受賞対象となった研究題目は「チタン酸バリウムナノキューブ高分散液の調製及び集積化」で、高い静電容量を持つ小型複合材料の作製のため、立方体形状に形態制御したナノサイズの単結晶(ナノキューブ)を分散させた高分散液の調製及びナノキューブ集積方法についての検討を行いました。今後更なる集積条件についての最適化を行っていくことでキャパシタ材料としての応用が可能になります。
 受賞した畠山さんは、「この度は優秀発表賞を受賞することができ、大変光栄に思います。ご指導していただいた和田智志教授、上野慎太郎准教授、藤井一郎助教をはじめ、本研究に協力していただいた関係者の方々に深く御礼申し上げます。今後もこの賞を励みに研究活動に邁進したいと思います。」と述べています。

和田智志教授がIEEE UFFC学会の2018年Ferroelectrics Recognition Awardを受賞

 和田智志 教授がIEEE UFFC学会の2018年Ferroelectrics Recognition Awardを受賞し、平成30年5月27日(日)~6月1日(金)、広島国際会議場(広島県広島市)で開催された強誘電体に関する国際会議「2018 ISAF-FMA-AMEC-PFM Joint Conference」において表彰されました。
 この賞は、世界最大の電気電子工学会であるIEEEの誘電体部門であるIEEE UFFCが、強誘電体分野において顕著な業績を挙げた研究者を表彰するものです。
 和田教授の受賞は、高誘電率、および高圧電特性材料のマルチスケールエンジニアリングにおける長年にわたる継続的な研究に対して贈られたもので、将来の高性能電子材料の応用が期待されます。
 和田教授は、「このような賞をいただいたことは望外の喜びであり、これまで共に研究に携ってきた学内外の多くの研究者のご支援、学生諸氏のご協力の賜物であると考えています。今後更に精進し、必ず世の中に貢献できる実用材料を開発したい。」とコメントしています。

相澤 朋弥さん(研究室所属学生 修士課程1年)と上野慎太郎准教授が第37回エレクトロセラミックス研究討論会で研究奨励賞と優秀賞を受賞

 相澤朋弥さん(大学院修士課程応用化学コース1年、指導教官:和田智志教授)が、2017年10月12日(木)~13日(金)にユニオンビル(富士通労働会館)で開催された第37回エレクトロセラミックス研究討論会において、研究奨励賞を受賞しました。
 受賞テーマは「BiFeO3系圧電セラミックスの焼結条件の検討とその電気特性評価」です。これは、有望な非鉛圧電材料であるBiFeO3系セラミックスにおいて問題となっている焼結時のビスマス揮発に伴う圧電特性の低下を、粒径の大きな粒子や低温・短時間で焼結が行えるSPS(Spark Plasma Sintering)焼結を用いることでビスマス揮発を抑制し、圧電特性を向上できたことを報告したものです。
 相澤さんは、「この度はエレクトロセラミックス研究奨励賞を受賞することができ、大変光栄に思います。ご指導していただいた和田智志教授、上野慎太郎准教授、藤井一郎助教をはじめ研究に協力していただいた多くの方々に心より感謝を申し上げます。今後もこの賞を励みに日々精進していきます。」と話しています。
 また、上野慎太郎准教授が同討論会において優秀賞を受賞しました。
 受賞テーマは「導電体/絶縁体複合キャパシタの微構造と誘電特性」です。これは従来のセラミックキャパシタの大容量化を目的とした、卑金属と絶縁体、或いは導電性酸化物と絶縁体から構成される粒界絶縁型複合セラミックキャパシタの低温作製に成功したことと、構造の微細化と均一化により電気特性の大幅な改善を達成した成果について報告したものです。
 上野准教授は、「この度は、こうした産業の要である電子材料について討論する場において、優秀賞を頂戴することができ大変光栄に存じます。今後はより一層新材料の開発に力を入れ、産業界そして科学の発展へと貢献していきたいと思っております。また、本研究は多くの方々のご支援のもとに行われました。関係者の皆様にはこの場をお借り致しまして御礼申し上げます。」と話しています。