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家政教育系で学ぶためには生活社会教育コースに入学します。山梨大学教育学部の場合、小学校教員免許と中学校教員免許の両方を取得するのが卒業要件となっていますので、生活社会教育コースでは小学校教員免許と同時に、中学校の家庭科または社会科の教員免許を取得する必要があります。
このため、入学後、1年次前期の終わりに所属する「系」を選択します。中学校免許を家庭科にするか社会科にするかを選ぶのが系の選択です。したがって家庭科を専攻する場合には「家政教育系」を選び、2年次から家庭科の専門科目を学ぶことになります。
山梨大学の授業(講義)は大きく全学共通教養科目と学部科目(教職科目、各教科等の専門科目など)に分かれています。家庭科の教員として必要な知識・技能を身に付けるための家庭科の専門科目は2年次以降に受講します。
授業は必修科目と選択科目に 分かれており、自分で時間割を作って卒業に必要な単位を修得していきます。家政教育系の標準的な履修モデルは次のページを参照してください。
●山梨大学教育学部生活社会教育コース 家政教育系 履修モデル
家政教育系では小学校、及び中学校・高等学校の家庭科教員免許に対応し、主要領域(衣生活、食生活、住生活、保育、家庭経営、家庭科教育)の内容をバランスよく履修できるようなカリキュラムが用意されています。
また、家政教育系の授業は「講義」のほか「実験」「実習」「演習」等、多彩ですから、講義で学んだことを実験等で確かめ、知識・技能として定着させることができます。どの授業も、少人数教育の利点を生かし、丁寧な指導を行っています。
各教員の担当授業を紹介します。
【被服学】岡松 恵 准教授
【担当授業科目】
・衣生活論
・被服科学
・被服学概論(被服製作実習を含む。)
・被服科学実験
・衣文化論
「被服学実習」(2年・前期)では浴衣やスモック製作などを通して被服製作の基礎・基本を学びます。下の写真は「被服学概論」の授業で「浴衣」を製作している様子です。布地を選び、布を裁ち、縫い合わせ、世界にたった一つだけの手作りの浴衣ができあがります。
「被服科学実験」(2〜3年・前期)では染色や洗濯の原理などを学ぶための実験を行います。
【食物学】今井千裕 准教授
【担当授業科目】
・食物学概論(栄養学、食品学及び調理実習を含む。)
・食物学実験
・食品栄養学
・食生活論
・調理学実習
「食物学実験」(2〜3年・前期)では、実験を通して食品成分の性質や調理における諸現象について考察し、小・中・高等学校の家庭科の授業で扱う実験・実習についての理解を深めます。
実験の様子 砂糖の温度変化
副材料が卵液の凝固に及ぼす影響
「調理学実習」(2年・後期)では、和食、洋食、中華、行事食などのさまざまな献立を盛り込み、食物学概論で得た知識を基に、基礎的な調理方法とその理論について実習し、各調理の基本操作や各食材の調理上の性質および取り扱い方を学びます。
実習の様子 調理例1
調理例2
【住居学】田中 勝 教授
【担当授業科目】
・住居学概論
・住居設計・製図
・住環境論
・住生活論
・住居学演習
「住居学概論」(2年・前期)では、講義、演習、見学等を通して、快適で安全な住まいや住生活の実現のための基礎的事項を学びます。
パソコンを使ったマイルームの立体化
住宅見学(住居設計・製図など) 各地の民家のペーパークラフトづくり
温熱環境の実験(大学院(修士課程)の授業)
【家庭経営学】神山久美 教授
【担当授業科目】
・家庭経営学概論(家族関係学及び家庭経済学を含む。)
・生活学概論
・家庭経済学
・家族関係論
「家庭経営学」(2〜3年)では、家庭経営、家族関係、消費生活等に関して、社会状況や日常生活と照らし合わせながら、実践的に学びます。
「家庭経営学の授業風景」・・・学校教育において、成年年齢引き下げに対応した「契約」や、お金に関する内容が重要になっています。
【家庭科教育学】志村結美 教授
・中等家庭科教育法第一
・中等家庭科教育法第二
・中等家庭科授業演習T
・中等家庭科授業演習U
・家庭科教育学T
・家庭科教育学U
「中等家庭科教育法」(2年)では、家庭科学習の目標・内容や指導方法について学びます。
中等家庭科教育法T・U (2年・前後期) 中等家庭科授業研究U (3年・前期)
【その他】
・家庭電気・機械
・情報処理
・卒業論文(4年)
また、以下の科目は家政教育系教員が分担しています。
・学部入門ゼミ(1年)
・家庭科内容論
・中等家庭科授業演習T
・教職実践演習(4年)
3年生になると、小学校と中学校でそれぞれ3週間の「教育実習(本実習)」を行います。そのための準備として、2年次の8月から9月頃、「観察実習」として先輩(3年生)の教育実習を観察し、授業研究を行います。教育実習の総まとめとも呼べる「研究授業」及び「授業研究会」には原則として家政教育系の教員及び学生の全員が参加し、授業研究会では、研究授業の内容を振り返りながらよりよい授業とするためにそれぞれの立場から発言します。
小学校教育実習は他コース・系の学生と共同で実習を行うこともありますが、中学校教育実習の場合は教科に分かれますので、少人数である家庭科の場合は自分の頭で考え行動する機会が多くなり、困ったことが出てきた場合でも実習校の指導教員から適切な指導が受けられます。
家政教育系では現在、教育実習終了後(3年次の秋頃)に研究室配属を行っています。研究室配属とは、卒業要件となっている卒業論文を執筆するために、家政学(家庭科)の各領域に分かれて卒業論文の準備を始めることを意味します。学生は3年後期から4年までのおよそ1年半をかけて、家政学や家庭科にかかわる研究テーマを設定し、指導教員の指導を受けながら研究を進めていきます。実験・調査等を行いながら、論理的に、実証的に、ある一つのことを深く掘り下げていく体験やアプローチは卒業後の人生にも大きく役立つはずです。
令和5年度以降は被服学、食物学、住居学、家庭経営学、家庭科教育学の5分野で卒業論文作成の指導を行います。
2014年度〜2019年の卒業論文テーマ及び修士論文テーマ(※印)は次下表の通りです(一部を抜粋)。
領域(分野) | 卒業論文・修士論文のテーマ |
---|---|
被服学 | 覆面の効果について 大学生のファッションに対する意識と実態 |
食物学 | 地域の郷土食・行事食の特徴と継承 嗜好飲料の飲用傾向とフレーバー特性との関連 |
住居学 | 小学校における教科間のつながりに配慮した防災教育の検討 家庭科住居領域における自然環境に配慮した住まい学習 |
家庭経営学 | 「国際協力サークルChange!!!」の活動を通して考えるエシカル消費の現状と課題 子どもの金融経済教育の現状と課題 |
家庭科教育学 | 国際社会に生きる力を育む小学校家庭科の授業検討 中学校家庭科における学習意欲を高める授業の工夫−キャリア教育の視点から−※ |
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最終更新日:2025.4.1