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暮らしを豊かに よりよい生活を創る家庭科

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〒400-8510 山梨県甲府市武田4-4-37

研究室紹介program

教員スタッフ

 家政教育系の専任教員は次の5名です(令和5年度)

 岡松 恵(准教授)※  被服学    ※教職大学院主担当教員
 今井 千裕(准教授)  食物学
 田中 勝(教授)    住居学
 神山 久美(教授)   家庭経営学  
 志村 結美(教授)   家庭科教育学

 



研究室紹介

 各研究室の研究テーマ・活動等について紹介します。


【岡松研究室(被服学)】

 自分が着るわけでもないのに、ぱっと目に飛び込んでくる…そんな衣服と出会ったことはありますか?個人的な意見ですが、東京国立博物館所蔵の奈良時代の糞掃衣(ふんぞうえ) (本来、ぼろ裂(きれ)を集めてつくった袈裟を指す)はまさにそのような衣服だと思います。この糞掃衣は所々、表面の裂が擦り切れ、下に重ねた別裂が見えています。そこには着古し傷むことによって生まれる美があり、それを気づかされた時、心が揺さぶられます。この不思議な尊さを持つ衣服を着たのはどんな人だったのでしょうか?…このように、衣服について考えることは、それを着た個人やその当時の社会を考えることに繋がります。私自身は大学で「衣生活論」「被服学概論」「被服科学」「被服科学実験」「日本服飾史」「染織工芸論」を担当しています。また江戸時代の小袖模様や夜着についても調査しています。衣服はあまりにも身近なため“改めて学ぶことなどない”と思うかもしれませんが、着ることは社会の中で、人が人らしくあるための大切な行為であると考えています。ぜひ一緒に学んでみませんか?


【今井研究室(食物学)】

 食物が成り立つ条件は「栄養があること」「安全であること」「食べやすくおいしいこと」であり、食物学はそれらについて包括的に学ぶ学問です。学部の講義では、「食物学概論」「食品栄養学」「食生活論」「食物学実験」「調理学実習」を開講しており、栄養学、食品学、調理学といった学術的観点から食物を多面的に捉え、実験・実習を通して知識を補完するとともに食に関する技能や思考力を修得することを目指します。子どもたちを取り巻く食環境、食問題はさまざまに変化しており、家庭科の中の食の学びがよりいっそう重要視されてきています。子どもたちの生涯にわたる食の豊かさに繋がるような家庭科の食物分野の在り方について、一緒に考え、学んでみませんか。
 私の研究としては主に、@食習慣が生活習慣病の発症に繋がるメカニズムの解明、A妊婦の食事の質と生まれた子どもの健康状態との関連、B胎児期・幼児期の栄養環境による成長後の代謝異常発症機序の解明、です。また今後は、家庭科教員と栄養教諭との連携による効果的な食育の実践や、小・中学生時代における食への興味関心と自立後の食習慣や健康状態との関連性などにも研究を広げたいと考えています。基礎的・応用的に理解する楽しさが魅力の「食」に関する研究は非常に多岐にわたっていて、どれも興味深いものばかりです。皆さんの興味を引く研究もきっと見つかると思います。

 開講科目:食物学概論(栄養学、食品学及び調理実習を含む)、食品栄養学、食生活論、調理学実習、食物学実験


【田中研究室(住居学)】

 家庭科という言葉を分解してみると、「家」「庭」「科」になります。家庭生活のベースとなる住まい(住居)にはシェルターの役割があり、安心・安全や快適性が求められます。また、住まいだけではなく、庭を含めたまわりの環境や地域コミュニティも豊かに暮らすための重要な要素です。生き方の表現としての住まいや住環境のあり方について科学的に追究し、快適で豊かな住まい方(住生活)を工夫・実践するのが住居学の役割と言えるかもしれません。
 講義は、学部では「住居学概論」のほか、「住生活論」「住環境論」「住居設計・製図」「住居学演習」を開講しています。研究は、「地域に根ざした住まいづくり」や「住教育」をテーマに取り組んでいます。詳しくは以下のサイトをご参照ください。
  住居学研究室ホームページ http://www.ccn.yamanashi.ac.jp/~tanaka/house.html
  住居学研究室紹介(p.6) https://www.yamanashi.ac.jp/wp-content/uploads/2016/01/vol_9.pdf


【神山研究室(家庭経営学)】体験学習イメージ
 現代社会における諸課題を踏まえ、生涯に渡る家庭経営のあり方について、主に消費者教育、金融教育などの視点から研究しています。家庭科の「消費生活・環境」では、消費者教育推進法や成年年齢引き下げなどを背景として、学習指導要領における内容がさらに充実しました。近年ではエシカル消費(倫理的消費)への関心が高まっており、公正で持続可能な社会の実現に向けて、私たちの消費行動の変革が求められています。山梨県消費者基本計画では、消費者教育の推進が重点施策になっています。地域の関連機関・団体などと連携して、学校向け消費者教育教材の作成をしており、作成教材は山梨県公式HP「消費者教育 学校向け教材」に掲載されています。写真1は、ゼミ生が関わった教材が「消費者教育教材資料表彰」で優秀賞を受賞したときの写真です。
 学部の授業は、「家庭経営学概論」「家庭経済学」などを担当しています。写真2は、グループでおこづかいに関する教材を検討しているところです。教職大学院では、家政教育系の主担当をしています。家庭科教員としてさらに専門性を高めるために、学部卒業後に教職大学院への進学を考えてみませんか。写真3は、教職大学院の実習で、小学校で家庭科の研究授業をする院生です。


写真左:授業風景  写真右:教職大学院の実習


【志村研究室(家庭科教育学)】

 人生100年時代が到来し、長期化、多様化した私たちの生活や暮らしを支える家庭科は、今まで以上に多くの内容が求められています。そのような家庭科を真正面に見つめ、家庭科のあり方を追究する、それが家庭科教育学研究室です。講義は、初等家庭科教育法、中等家庭科授業研究他、家庭科教育学に関する講義を開講しています。
 研究は、主に「家庭科におけるキャリア教育」や「家庭科の教員養成・研修」等をテーマとしています。また、卒業・修士論文では、家庭科教育に関連した様々な実践研究等に取り組んでいます。 以下は、先輩達の卒業研究における授業実践の様子です。

2014年度卒業 河合衿香 先生(現 岐阜県 小学校教諭)
卒業論文テーマ:小学生の家族の一員としての認識と自己肯定感の関係性山梨県で起こった豪雪被害等、防災教育の観点から、家族や地域の人々のために出来ることを考える授業を行いました。


2015年度卒業 成島勇樹 先生(現 山梨県 小学校教諭)
卒業論文テーマ:家庭科における情報化に対応した授業の検討〜ICT活用の可能性〜リンゴの皮むきをテーマに、タブレットを活用したペア学習を取り入れた授業を行いました。


information

山梨大学教育学部
生活社会教育コース
家政教育系

〒400-8510
山梨県甲府市武田4-4-37

最終更新日:2023.8.18