ゲンジボタル
> ゲンジボタルの系統①
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説明文の1山梨県内のゲンジボタルの分子系統学的解析 |
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説明文の2ゲンジボタルはコウチュウ目ホタル科に属し、日本全国で見ることのできるホタルである。6~7月に繁殖し、幼虫が水生なので、水質の悪化などの環境の変化に敏感。 |
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説明文の3先行研究より、西日本と東日本で発光間隔の違いがある。西日本は2秒型と東日本は4秒型と呼ばれる。中間の3秒型のホタルはフォッサマグナの西縁の糸魚川ー静岡線周辺に生息している。 |
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説明文の4ホタルは餌となるカワニナが豊富に生息しており、周囲にコケや木があり、水質の安定したある程度流れのある河川生息している。しかし、環境の改変によりホタルは減少している。
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説明文の5生息地やカワニナが減少したために、ホタルが減少あるいは絶滅してしまった地域の環境整備を行い、養殖したホタルの放流を行い、ホタルを再生する取り組みが行われてきた。しかし、その河川に生息しているホタルと異なる遺伝子をもつホタルを移植してしまうと遺伝子汚染を引き起こしてしまう。
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説明文の6種内集団に配慮した保護を行うために山梨県内のホタルの遺伝子の解析を行ったところ、新たな集団が存在する可能性がでてきた。
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説明文の7ミトコンドリアND5遺伝子の塩基配列に基づく系統樹。山梨県のホタルには、従来の集団Ⅱと、集団Ⅱに近縁だがそれとは異なる新たな集団に属するものがいた。この新たな集団を南アルプス集団と呼ぶことにした。
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説明文の8南アルプス集団は主に南アルプ沿いに分布する。
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説明文の9ゲンジボタルの遺伝子型の関係を示すミニマムスバニングツリー。新たに発見された南アルプス集団は既存の4集団と遺伝的に異なっていた。
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説明文の10集団ⅠとⅡの共通祖先が本州全域に分布を拡げた。
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説明文の11山地・山脈が形成されたことにより、集団Ⅰと集団Ⅱが隔離され、遺伝的に異なる集団となった。
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説明文の12氷河期に厳しい寒さを逃れるための避難地(レフュジア)に閉じ込められ、遺伝的な分化が起こり、南アルプス集団へと進化した。
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説明文の13レフュジアで分化した南アルプス集団が分布を拡げた。
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説明文の14南アルプス集団と他集団との境界を明確化するため、県内や近隣の県(長野県や静岡県)のサンプルを増やし、アルプス周辺地域の調査を進める。また、県内に集団Ⅱと南アルプス集団が両方存在する理由を明かにしたい。 |